The Maaya Takeda Fan Club event “The Secret Base of Maaya Takeda” was held at Artist Lounge TOKYO.
The event included Maaya’s secret talk part and her show part.
At the show, Maaya sang 3 new songs named “Hurts,” “Himitsukichi (The Secret Base),” and “Neko (The Cat).”
Only 25 fans could take part in the event, and it is forbidden to speak to anyone about anything Maaya talked about at the event.
武田舞彩にとって事務所移籍後初となるファンクラブ「舞彩組」限定イベント『武田舞彩の秘密基地Vol.1』が、10月25日に初台にあるArtist Lounge TOKYOにて開催された。
『武田舞彩の秘密基地』は、プレミアムかつアットホームな空間で、ライブやイベントでは見ることができない武田舞彩を楽しんでもらうことを目的とした、林マネージャー肝いりの企画だ。初回に参加できたのは、ファンクラブ「舞彩組」のメンバーから25人のみ。一方、会場となったArtist Lounge TOKYOは、テイラー・ギター専門プロショップ。テイラー社公認アーティストでもある舞彩が、同ショップに自身の愛機・K24ce(通称ひじき丸)をメンテナンスに連れてきた際、店舗の雰囲気に惚れ込んだこと、イベントスペースとしても利用できることなどから今回の企画とうまくマッチングした。
高い天井。ライブとは比べ物にならないほどに近いステージとの距離感。壁に陳列されているテイラーギターのために調整されている快適な温度と湿度。うっすらと流れていたビートルズナンバーが絞られて、いよいよイベントはスタートする。
「皆さま、本日はトーク&ミニライブ「武田舞彩の秘密基地Vol.1」にご来場いただき誠にありがとうございます。」
2018年9月の『ENGEIグランドスラム』にてお笑い芸人1000人が選んだ「芸歴15年以上でその面白さがまだ世間に伝わっていないが、同業者から見て本当に面白いと思う芸人ベスト10」で堂々1位を獲得した、サンミュージック所属・三拍子の久保孝真がMCとしてステージに登場する。そして、久保からの「イベント終了後、トーク内容をSNSにあげるのはご遠慮願います。」という注意事項のアナウンスで、参加者は本イベントがこれまでのライブやイベントとはちょっと趣きが違うことに気づいたはずだ。
グリーンをアクセントとしたチェックの衣装で武田舞彩が観客の拍手で迎え入れられる。イベントは、トークコーナーから。今回のお題は「サンミュージックに移籍してから今までを振り返ろう」ということで、武田舞彩がサンミュージックに移籍をした4月からのエピソードを林マネージャーの視点を交えながら紹介していく、というものだった。
移籍初日の話から、ひじき丸購入時のエピソード、ワンマンライブの打ち上げから日帰り旅行、そして芋掘りなどなど。その内容はいろんな意味で絶対書けないし、書いてはいけない。集まった25人と少しの運営スタッフだけしか共有は許されない事柄ばかり。ただ、マネージャーから報告される武田舞彩の“アーティスティックな言動の数々”と、舞彩本人による説明および弁解、もしくは言い訳。そして参加者全員の総意を代表するかのような久保によるツッコミの連鎖は、事務所の若手スタッフ曰く、「防音のドアの外まで笑い声が聞こえていた」というほどの、荒磯に打ちつける波のような爆笑を次々に引き起こしていた。
トークコーナーの後は本イベントのために新曲を3曲も用意したというミニライブへ。ファンの間ではおなじみとなった「あなたの呼吸が止まる前に」を歌唱したのち、さっそくその中の1曲「Hurts」を披露する。
「最近はNetflixで映画を観てまして。私は、恋愛は苦手で、苦しい思いをしたくないから恋愛したくないなってタイプで。でも友達の話とか聞いてると恋愛したいなってなるんです。けど、Netflixで見ると苦しくて……。」
経験を歌にしていることが多い舞彩だが、はたしてこれは“経験”と呼んでいいものなのか……? ちょっとよくわからないが、ともかく“Netflixで『ゴースト/ニューヨークの幻』を観た経験”が盛り込まれた「Hurts」を力強くリズミカルなギターストロークで、恋の痛みを訴えかけるように歌い上げる。さらにこの勢いのまま、自分の本音を綴った「あげだしっ」で言葉と過去を吐き捨てると、観客からも歓声と拍手が起こる。
地元・鯖江の西山公園で作ったという新曲「秘密基地」は、今回のライブにも絡めて、故郷をテーマに作ったという。「Hurt」とは打って変わって軽快なギターの響きに、新緑に混ざるツツジの微かな香りを感じさせる歌声。舞彩の歌を聴きながら、誰もがひとつは持っていた自分だけの秘密基地に思いを馳せてしまったという人もいたかもしれない。
2ショットチェキのプレゼントコーナーを挟んで、今ひとつ「Hurts」のパフォーマンスに納得がいかなかった舞彩は、すでに終了予定時間を延長しているにも関わらず再びこの曲をパフォーマンス。
そして最後に披露されたのは、本日最後の新曲であり、武田舞彩のひらがなシリーズ最新作の「ねこ」。ダダリオの弦を爪弾きながら歌われたのは、15歳の頃から本当の自分を殺して道化師を演じてきたという哀しみだ。
メロディーに乗せられた言葉たちは、耳にした人それぞれが違った受け止め方をすることだろう。舞彩と同年代の女の子には、共感を持って迎え入れられるかもしれない。彼女の親世代には“若さ”と捉えられるかもしれない。
では、彼女を15歳の頃から知っている“我々”はどう受け止めるのだろう。歌詞から何を感じて、彼女の過去とその頃の自分自身の感情を己の中でどう昇華するのだろうか。
繰り返し聴き、歌詞を読み込んで、そして自分と向き合う。「ねこ」に対しては、きっと彼女自身がそうしてきたように、我々も同じ手順をとる必要性を感じずにはいられなかった。
終わってみれば、当初の予定を90分もオーバーしていたこの『秘密基地』。林マネージャーによると、この「舞彩組」限定イベントは今後も続けていくという。ただし(初回に参加したファンはわかるように)、そもそも少人数で行なうというコンセプトに加えて、武田舞彩に関する本当の意味でシークレットな話も飛び出したり、新曲もいち早く聴けたり、さらに歌を聴いてもらうためのワンマンライブでは決して実施されることはない2ショットチェキのプレゼントといった、いわゆる“接触イベント”も特別に行なうなど魅力的なコンテンツが数多く用意されるため、参加するためのチケット確保はかなり困難を極めそうである。