【吉川と吉川】吉川友の口リコーダー。吉川茉優に異音吹き散らかす

吉川友と吉川茉優の合同ライブ『LIVE きっかわゆう と よしかわまゆ』

吉川友と吉川茉優のユニット・“吉川と吉川(きっかわとよしかわ)”の合同ライブ『LIVE きっかわゆう と よしかわまゆ』が3月12日に表参道GROUNDにて開催された。

 

吉川と吉川「Unfamiliar」配信開始

吉川と吉川(きっかわとよしかわ)。読み方は異なるものの、漢字で書くとどちらも同じ「吉川」が同じ事務所にいることから始まっているとかいないとかの本ユニット。前回1月に開催された吉川友のワンマンライブでは、ゲストとして吉川茉優が出演し、ふたりでユニットを結成したことと新曲「Unfamiliar」が初披露された。

 

そしてあらためて合同ライブと銘打って行なわれたのが本公演。というわけで、当然ながら会場には吉川友のファンと吉川茉優のファンが集まっていた。

吉川と吉川

ライブは、そんなふたりのユニット曲「Unfamiliar」から。都会的な空気をまとったグルーヴと、吉川茉優が綴った言葉が魅力的なこの曲。前回ライブで初披露された以降の展開(配信リリースなど)に期待しつつも、もうしばらく、このふたりが出演するステージでだけ聴くことができる1曲であり続けることだろう。

※……と、この時は書いていたのだが、現在、吉川と吉川「Unfamiliar」は、iTunesやAppleMusic、Spotifyなど各音楽配信プラットホームにて配信がスタートしている(→https://umj.lnk.to/YouKikkawa_Unfamiliar)。

 

冒頭から心地よいサウンドで満たされたフロアに向けて、「みなさんこんにちは。表参道にお集まりいただきありがとうございます。」と、吉川友が挨拶。ふたりの初合同ライブに吉川茉優も笑顔を見せ、配信のカメラに手を振る。

 

「ふたりで単独ライブやるのって緊張するよね。」と言うきっかに、まーちゃんは「私も(緊張で)お腹痛くて……。」と、背中を丸める素振り。「私、グループ時代は緊張しない人だったんですけど、今日は吉川さんの圧ですかね。」と、積極的に先輩をいじっていくスタイルは、さすが“「まずはまずは精神」の鼻リコーダーで地上波のお昼の情報番組にまで出演しちゃった人(しかも複数回!)”をずっと間近で見てきた、アプガ(2)の元センターである。

 

ちなみに今回のライブは、バンドメンバーとして、ギターの楢原英介とキーボードの櫻井純気に加えて、(吉川友と髪型がかぶっている)マニピュレーターの新山俊也が参加。ほぼすべての楽曲で打ち込みを使用しているため、レコーディングにもライブにもマニピュレーターは欠かせない存在ながら、吉川友にとってもマニピュレーターをバンドメンバーに加えてのステージは今回が初めてだという。

 

吉川茉優、新曲「黄色」初披露

 

「Unfamiliar」披露の後は、まず吉川茉優のソロコーナー。「(まーちゃんが)すごい楽しませてくれるんじゃない? すごい楽しみ!」と、後輩・まーちゃんにこれでもかと圧をかけてステージを一旦降りる吉川友パイセンの“いつものやり方”に、フロアからも笑いが起きる。もちろんまーちゃんも、そんな期待(圧)に応えるように、軽快なダンスナンバー「ユメノツヅキ」からソロステージをスタートさせ、「甘雨」「恋藍」とバラードで魅せる。ステージでまーちゃんが躍動するたび、そして歌声に感情を乗せるたびに、見た目は子供、頭脳は大人でたったひとつの真実見抜きそうなケープの裾が揺れている。

吉川茉優

吉川茉優

さらに吉川茉優は、ここで新曲「黄色」を初披露する。作詞はもちろん彼女自身で、「ユメノツヅキ」「甘雨」を手掛けた赤羽ニューロマンチカのMitsuoが作曲を担当。アップテンポなリズムの中に切なさや複雑な恋心を言葉に変えて落とし込んだ新曲を、オーディエンスはそれぞれ体を揺らしながら受け止めていた。

 

「love rescue」で再度フロアを沸かせ、まーちゃんは「続いては、アプガ2の曲をカバーしたいと思います。カバーって言うのがすごい不思議な感じもするんですけど、私が卒業してからの曲で、好きだなぁと思う曲があったので聴いてください。」と、アップアップガールズ(2)の最新EP収録曲「シーユーだけ。」をパフォーマンス。誰もが「難しい」と口を揃える、歌割りがあるグループ楽曲をひとりでしっかりと歌いあげていた。

吉川茉優

ちなみに吉川茉優の新曲「黄色」はすでに各プラットホームで配信中(→https://linkco.re/VmG1EpFD)。また「love rescue」は4月に配信が予定されている。

 

吉川茉優のソロコーナーが終わって、場末のスナックのママのような声色とともに吉川友が再度ステージへ。そして「さっきそこでマネージャーさんたちと話していたんだけど、私はそんなにまーちゃん知らないけど、そんな私から見ても『うわー、まーちゃん緊張してるー。』って見えて。でも、新曲初披露してから、だいぶまーちゃん変わった(緊張が解けてきた)ねって。」と、同じ演者という視点での今日のまーちゃんの緊張の具合を解説。「それ、ここで言わなくていいじゃないですか。恥ずかしい……。」と、ステージ上でモジモジし始めるまーちゃん。「恥ずかしがり屋さん?」というきっかからの質問に、まーちゃんは「恥ずかしがり屋さんですね。人前に出るの、あんまり好きじゃない。」とタレントして元も子もない回答。きっかの「え、じゃあなんでこの仕事したの?」という質問もごもっともである。

 

 

「まーちゃんて、やっぱソロ向きなのかなって。」

 

そして吉川友は、吉川茉優についてソロ向きだと語る。

「私の勝手なイメージだけど、グループにいるときは、あまり周りに干渉しないというか。でもソロになってリハとか見てると『ああしたい』『こうしたい』って意外と言うの。」

きっかは、リハでのまーちゃんの様子を紹介しながら、吉川茉優がソロ向きだと考える根拠を提示する。しかし「で、私が悪いんだけど、一緒に歌うと『きっかわさん、そこ歌詞違います。』『きっかわさん、ここもうちょっと伸ばしてください。』って結構ズカズカ言うの(笑)。(まーちゃんは)そういうの言わないタイプだと思ってたの。」と、いきなり内情暴露へ。すると吉川茉優も「だってきっかわさん、全然歌詞違うんですもん。だから言わないと逆に失礼かなと思って(笑)。」と暴露のお返し。吉川友は思わずステージ上で崩れ落ちた。

 

一方、まーちゃんが語る吉川友の意外な一面は「ものすごい真面目。人生を波に乗って生きていきたい(=ノリと勢いの)人なのかなと思ったんですけど、用意周到な人で、全然私のイメージと違った。」とのこと。確かにこれはステージや番組、配信やSNSでの吉川友しか知らない人たちが誤解しがちな一面。まあだからといって、彼女の真面目な部分が表に出ることは滅多にないし、本人も別に真面目に思われたいなんて微塵も思っていないだろうから、誤解してしまうのも仕方のないこと。

 

なお最近の吉川友の真面目エピソードとしては、タイのジャパンエキスポにて、全出演ステージが終わり会場からホテルへ移動する車の中で、さっそく次の日本での仕事の台本を読み始めた、なんてものもあったりする(海外での仕事が終わって後は帰国するだけとなった時、自分だったら何をするかを考えていただければ、吉川友の真面目さや切り替えの速さが伝わるかもしれない)。

 

鼻リコーダーに対抗。衝撃の口リコーダー

 

再びステージ上にふたりが揃ったということで、コラボ曲へ。「私のすごい好きな曲で、何回かこの曲でステージに立ったこともあるんだけど、ふたりでは初めて。私も見せ場があるので、思いっきりカメラに(アピールしに)行きたいと思います。」というきっかの言葉とともに、アップアップガールズ(2)の「二の足Dancing」。吉川茉優所属時の曲という意味では、カバーというよりオリジナルに近くもあり、また吉川友もアプガ2とこの曲でのコラボも経験済み。余裕が少しはあるのであろう。笑顔も見せながら順調に歌唱し、やがて会場の誰もが期待しているであろう大サビへ。吉川友はステージ上に用意されていた黄色いスケルトンリコーダーを取り上げると、なんとこれを涼しい顔で口元にあてた。

吉川友と吉川茉優

吉川と吉川

きっかは、鍛治島彩の伝家の宝刀・鼻リコーダーに対抗する、衝撃の口リコーダーというムーブで吉川茉優の歌声とのハーモニーを奏で始める。ところがここで想定外のハプニングが。用意されていたリコーダーが予想以上に“じゃじゃ馬”だったのか、はたまた吉川友が“じゃじゃ馬”だったのか(まあ間違いなく後者)、マイクもないのになぜかPAから流れてくる流麗なリコーダーの音色をかき消すかのように、きっかのリコーダーからは異音が吹き鳴らされる。そして吉川茉優の歌声に寄り添うのではなく、ただひたすらに彼女の耳元で歌の邪魔をするのだった。

吉川と吉川

 

吉川友、後輩たちに“お姉さんの気持ち”芽生える

 

そんな阿鼻叫喚なコラボーレーションを経て、吉川茉優がステージアウトして(MC中にフロアの観客全員が一斉に水分補給する姿にきっかが興奮する一幕もありながら)今度は吉川友のソロコーナーへ。「あまいメロディー」「ありのままのI LOVE YOU」「ざっくばらんなサヴァイヴ」と、アレンジを含めて大人っぽい空気をまとった楽曲をドラマティックに歌い継いでいく。ちなみに余談だが、「ありのままのI LOVE YOU」のような無理のない中音域の楽曲を歌う時の声質こそが吉川友が持つ最も魅力的な響きのような気がするのだが、いかがだろう。

 

「最近は母性なのかわからないけど、事務所の後輩たち、もっと若い子と接したいなって。お姉さんの気持ちなのかな。先輩としてなんかしてあげなきゃ、って。」

 

突然、30代の大人になって(?)芽生えた感情を吐露する吉川友。先日、後輩たち数人とピクニックしたという話とともに、「今度は事務所総出で何かしたい。お金持ちの子の庭で(ファンの)みんなも呼んで楽器とか鳴らして。他人巻き込んでめっちゃ迷惑なことしたい。……新手のYouTuberだよね。」と、まもなく卒業を迎える後輩の実家、いわゆる“中川財閥”の敷地(吉川茉優曰く「行ったことはないけど、ライブは余裕でできると思う」)を存分に使った、各方面に迷惑を被りそうな企画を提案していた。

吉川友

ライブ後半は、曲前のMCを引きづって「いい先輩になりたいなぁ」と曲中につぶやいた「歯をくいしばれっっ!」に、まさに今の季節の出来事を綴ったような「恋」、さらにこれからやってくる夏の日差しを思い起こさせる「NEO SUGAR SUGAR YOU」と続く。入念に準備されたセットリストが作り出す盛り上がりを受けて、観客が手にした黄色の光が円弧を描くようにフロアの各所で大きく揺れる。

そして再び吉川茉優を呼び込んで、最後はやっぱり吉川と吉川でのコラボレーション。まずはアプガ2「セメテセメテ」をふたりはフリつきで披露。吉川友が「セメテセメテ」を歌うという目新しさに輪をかけて、踊る吉川友という新鮮さ。吉川茉優とのユニットでは、そんなきっかの新しい一面も目にすることができるというのは友フレも想定していなかったかもしれない。

 

公演最後の曲となったのは、「こんな私でよかったら」。吉川と吉川の新曲「Unfamiliar」が初披露された1月のライブでは、吉川友と吉川茉優がそれぞれのソロコーナーにて歌ったこの曲。スツールに腰を下ろして歌う吉川友と、オリジナルをオマージュしてフリありで披露する吉川茉優という対比が楽しめたとともに、まーちゃんのフリありの歌唱に、昔のきっかの姿を重ね、懐かしさを覚えた友フレが大量発生した(はず)。

 

いわば満を持してのこの曲での共演は、おしゃれサウンドのアレンジで、きっかもダンスを披露するスペシャルバージョンだったことを最後に記しておきたい。

 

なお序盤に記載したとおり、吉川と吉川「Unfamiliar」は、現在配信がスタートしている。また吉川友は31歳の誕生日の前日となる4月30日に、吉川茉優は25歳の誕生日当日となる5月28日に生誕ライブをそれぞれ表参道GROUNDにて開催する。

 

吉川と吉川

吉川と吉川

吉川と吉川

吉川茉優

吉川と吉川

◆吉川友 LIVE 2023の生誕きっか チケット
◆吉川茉優 Born Hungry”25th BirthdayLIVE” チケット

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