『吉川友 LIVE 2024の秋きっか』開催。10月からの舞台『虹色唱歌』ではヒロイン役

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現在、役者として舞台でも活躍中。10月には『虹色唱歌』出演も控える吉川友が、9月1日に久しぶりのワンマンライブ『吉川友 LIVE 2024の秋きっか』を渋谷ロフトヘブンにて開催した。

ワンマンライブとしては、5月1日に行われた彼女のバースデーライブ以来。また、ライブイベントとしては5月29日の吉川友×鍛治島彩×吉川茉優コラボイベント以来となるステージだ。会場には、吉川友のライブの雰囲気に心地よさを感じているファン、ある意味で中毒症状となっている友フレたちが足を運び、フロアを埋め尽くした。

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キマグレンが吉川友に提供した「八月の花火」も

オールディーズがBGMとして漂う中、ライブ開始の合図として「Ignition」が流れる。観客のコールを受け、ライトブルーのホルターネックドレスを着た吉川友がステージに登場すると、1曲目に「I LOVE YOUが言えない」を披露。フロアに視線を送るたびに、耳元のピアスも揺れ、彼女のリズムとともに輝きを放つ。

2曲目は「八月の花火」。この曲は、最近9年ぶりに再結成したキマグレンが提供したもの。彼らとの“きっかレン”での「カフェオーレのうた」も、往年の友フレには懐かしい記憶であり作品だ。そうした思い出をも浮かべながら吉川の歌声に耳を傾ける。さらに続いたのは早見優の1983年のヒット曲「夏色のナンシー」。懐かしさを感じる人も多い……かもしれないが、もし早見優のオリジナルのほうに思い出を持っていたなら、それは相当な年齢以上の人々だろう。ちなみに吉川友は2012年にリリースしたカバーアルバム『ボカリスト?』でこの曲をカバーしている。……と、ここまで書いたところで、『ボカリスト?』も10年以上前のアルバムなのか、と思ってしまった。

吉川友はいつものように、少し気圧の影響を感じながらのMCを挟み(「気圧のせいで言葉が出てこない」とは、彼女がいつも口にする台詞だ)、「久しぶりに歌います」と「ハコの中のブルー」を披露する。アップテンポなナンバーに会場はサイリウムを振って盛り上がり、吉川も笑顔で当時の振り付けを再現した。続く「恋愛遠慕」の軽快なリズムも会場を一層熱くさせた。

吉川友はネイルをしない派。「きっかちゃんらしい」

吉川友と畠山健嗣

MCのコーナーでは、アコースティックギターを弾く畠山健嗣をステージに呼び込み、「最近の若い子って、ネイルしているんですよね」と語り始める吉川。彼女はネイルをしない派で、その理由は「爪に土や埃がたまるタイプだから」という。なお友人には「そんなところがきっかちゃんらしくていい」と褒められたこともあるそうだ。

ちなみにこの話に続けてきっかは「もちろん、性格もそうですよ。明るくて、天真爛漫で可愛くて。礼儀正しくて。清楚で。」と、自分自身の優れた点を矢継ぎ早に上げていく。それは完璧なまでにコメディーの台詞のようで、『熱海殺人事件〜モンテカルロイリュージョン〜』のワンシーンにでもあったかと錯覚してしまいそうになる。

それほどに我々は舞台女優・吉川友の“技”を不意に見せつけられてしまった。

吉川友「私、最近考える癖がついちゃって……考えるのだーいすき。」

吉川友

さらに、海外の女性が住む向かいの部屋の話や、積立NISAやiDeCoについての雑談が展開される。そして、「逆流性食道炎みたいになる時がある」といったユーモラスな告白で会場に微妙な雰囲気を漂わせたところで、「どういう気持ちでギター引けばいいんだよ。」と嘆く畠山のアコースティックギターで歌うコーナーが始まった。

トークから一転、歌のスイッチが入ると、吉川友は見事な歌声を聴かせる。「プラネタリウム」で会場をドラマティックに包み込み、「水色」では手拍子を誘う。

一方で、「私、今、右手でマイク持ってるんだよ。……あ、ごめんなさい。独り言です。私、最近考える癖がついちゃって、『なんで右利きなのにマイク左で持ってるんだろう』って考えたら、右に変えたくなる女なんですよ。なんか……考えるのだーいすき。」と語るなど、吉川の無政府状態な発想には観客も唖然。「東京タワーって、倒れてきたらどっちに倒れてくるかな、って。そういうのばっかり考えてる。」と彼女が言った時の正しい返し方は何だったのだろう。そんなことをぼんやり考えていたから、きっかが回替わりで歌唱した「Love you forever」の歌の入りを間違えてしれっとやり直したことにも我々は気づかない。

畠山とのセッションの最後は「会いたくなったら」で締めくくられた。近年のライブでは、ギターやピアノの伴奏で歌うコーナーが定番となっているが、今回も吉川友の自然体でリラックスしたパフォーマンスは実に心地よいものだった。

後半では、名曲「TO BE…」や、夏の終わりを感じさせる「secret base ~君がくれたもの~」などの作品が続く。マイクスタンドを握り、照明が幻想的に揺れる中で、彼女は落ち着いた歌声を響かせ、観客を引き込んだ。「secret base ~君がくれたもの~」は、10年以上前の『ボカリスト?』収録音源とは異なる大人の余裕が感じられる歌声だったが、ライブ本編最後に披露された「DISTORTION」では、当時と変わらぬ力強さを見せた。

彼女のこの歌い方の違いは意識的なのか、無意識なのか。興味深いところだ。

吉川友、舞台『虹色唱歌』では久しぶりのヒロインに

『吉川友 LIVE 2024の秋きっか』開催。10月からの舞台『虹色唱歌』ではヒロイン役

吉川友は、このライブの後、2024年10月18日(金)から東京・紀伊國屋ホールで上演される『虹色唱歌』に注力すると語った。

「ヒロインですって。違うの、聞いてください。あたし、ヒロインって20代前半で終わってたんですよ。ヒロインってキラキラした、みんなのアイドルみたいな感じのことだよね。今まで20代の頃は天真爛漫明るい女の子を演じることが多かったの、20代前半は。で、やっぱり20代後半になっていくにつれ、なんか悪役とか敵とか悪いお姉さん、みたいな。そういうものなのかな、人って。そういうことだよね。でも、そういう役がくるってことは、ちゃんと私も体も心も成長しているんだなぁ、って。それはそれでよかったんですけど。今回はそんな最近まで悪役とか強めのお姉さんとかのキャラクターが多かったんですけど、10月の舞台ではヒロインをやらせていただきますので、ぜひみなさん、お待ちしてます。」

ライブ本編終了後、観客のアンコールの声に応え、デビュー曲「きっかけはYOU!」が急遽セレクトされた。懐かしい振り付けとともに歌う吉川友に、観客はサイリウムとコールで盛り上がり、ライブは大盛況のうちに幕を下ろした。

◆吉川友 オフィシャルブログ
◆吉川友 Twitter

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