吉川友、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

「リズムを刻んで人生を生きていただければなと思います。」

吉川友が2月13日に『吉川友 10th Anniversary LIVE 2022のバレンタインきっか』を開催し、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露した。

 

「クララが立った!」並みに感動してる、私。

暗転の中、いつもの通りきっかバンドのセッティングが完了して、吉川友がステージインする。先日、所属事務所を“なんとも中島卓偉らしく”円満に退所して独立することを発表した中島卓偉が提供した「どんな時も笑顔で」から、この日のライブはスタートしていった。

 

「今日ね、なんだかんだ言って今年初のライブになるので、楽しんでいけたら。」

 

なお今回のライブでは、立ち上がっての観覧がOKとアナウンスされたこともあり、数年前には当たり前のように見られたライブハウスでのライブの光景が展開されていた(いや、確か前回のワンマンも立ち上がっての観覧は禁止事項にはしていなかったのだが、それについて特にアナウンスをしなかったところ、友フレは昔から行儀がいいのでこれまでと同様に着席しての観覧スタイルを崩すことはなかった。「ファンはアーティストの鏡」とはよく言われる話であり事実だが、だからといって「アーティストはファンの鏡」だとは限らないのかもしれない。ええ。)

 

吉川友、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

序盤は「DISTORTION」や「URAHARAテンプテーション」「NEO SUGAR SUGAR YOU」といったライブ映えする楽曲が並ぶ。観客側も数年ぶりの“跪く”パフォーマンス(?)を披露できて、思わず感涙にむせぶ人の姿……はなかったが、あの頃のライブが着実に戻ってきている感覚は体験できたはずだ。

 

「今日さ、思えば今年初めてのライブということはあるんだけど、ここ数年と変わったことがあるね。みんな立ってるよ。「クララが立った!」並みに感動してる、私。やっぱりライブは“立ち”ですか?(拍手) でもみなさんも意外と年だし、“慣れ”って怖いじゃないですか。一回座っちゃうと、立つと辛くならない? あ、ならない? でもみんな年だからね。シニア席とかも今後用意していかないとな、って。」

 

今日は友フレをお年寄りとしていたわりたい気分らしい吉川友。しかし最近の年寄はみんな元気なのである(そういう話ではない)。

 

“○○なオンナ”シリーズの次はオトコ?

吉川 友にでか美ちゃん

そして2022年最初のきっかのライブということもあってか(?)、ゲストとしてでか美ちゃん(元ぱいぱいでか美)がステージへ。改名前の時は、吉川友がリードする形で両手で何かを揉みしだく仕草とともに「ぱいぱーい!」と声を合わせて彼女を呼び込むのが恒例となっていたが、2022年、きっかがそれをすると罰金。いやこれはきっかとでか美ちゃんの間での「ぱいぱいをつけて呼んだら罰金」という決め事なのだが(しかもきっかからの提案)、でか美ちゃんは別の意味でもっと早くきっかから罰金をとってもよかったのではないかと個人的には思っている。

 

吉川 友にでか美ちゃん 吉川 友にでか美ちゃん

吉川 友にでか美ちゃん(旧名:吉川友にぱいぱいでか美)のユニットで、エスニックなイントロが印象的な「手を合わすオンナ」に、牛久大仏と津駅前のチャムで育ったおのぼりさんふたりが大都会・東京でブイブイ言わせる「都会のオンナ」を立て続けに披露する。

 

このふたりといえば“○○なオンナ”シリーズだが、MCでは今後もこのシリーズを続けるか問題について、きっかが「オトコでもいいんじゃない?」と提案する。すると、でか美ちゃんも「確かに。『サイゼリヤに行きたがるオトコ』とか。」と、この時、SNSでホットだったキーワードを絡めた返しを見せる。アイドルのライブだとMCの内容まで事前に決められていたり、もっというと台本があったりもするのだが、当然のことながら吉川友やでか美ちゃんくらいになると、そんなものが存在するはずもなく、すべてアドリブ。声が出せない客席から笑い声を漏れさせつつ、「やっぱりでか美ちゃんは抜群に頭の回転が早い……!」と、思わせるには十分な切り返しだった。

 

新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

吉川友、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

定番のバラードゾーンは、「冬空花火」「暁 -yoake-」と目を閉じて歌い上げる楽曲を並べる一方、「世界中に君は一人だけ」「チョコレート魂」と、バレンタインスペシャルでお届け。「チョコレート魂」といえば松浦亜弥の“現時点ラストのシングル曲”でもあるが、吉川友も2013年にリリースしたトリプルA面シングルの1曲としてカバーしている。

 

学生時代に女の子同士でトイレでチョコレートを交換し、トイレで生チョコを食べたものの色味や感触で微妙な気持ちになったとか、手を洗う洗わないといった話を立て続けに披露して、直前まで熱唱していたメロディアスでロマンティックな楽曲のムードをぶち壊す“ダメなオンナ”の後半戦。「こんな私でよかったら」「TABOO」「恋」「Stairways」と、きっかときっかバンドは一気に畳み掛けていく。さらにライブのラストソングになることが多い「Stairways」をあえてラストソングのひとつ前に配置した今回。夜公演ではこれが災いして、「Stairways」を歌い終わってすべてやりきった気持ちになった吉川友が、最後の曲を歌わずにライブを終わろうとしてしまう珍事も発生した。

 

ともあれ「Stairways」がラストソングではないのには理由があった。

 

吉川友、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

「次、歌う曲……実は新曲なんですけど、できあがったのは最近のほやほやの。1週間以内じゃない? それは言い過ぎましたけど。でも、あっちゅーまにできあがって、あっちゅーまに新曲披露ということで。今までと違ったようなジャンルの曲です。……毎回言ってるけどね。“いつもと違う”って。でも今回全然違うの。聴けばわかるよ。そして私にとっては難易度がめちゃくちゃ高い。歌の。……毎回言ってるけどね。」

 

 

最後に披露された新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」は、本ライブでも歌われた「手を合わすオンナ」のアレンジや、西山宏太郎や加藤和樹の楽曲を手掛けた、きなみうみがmichitomoとともに制作した(作詞:きなみうみ 作曲:michitomo/きなみうみ 編曲:きなみうみ)。そしてきっかが話したように、曲調は、裏拍(ハロプロでいうところの伝統の16ビート)を意識する横ノリが印象的。バンドのリズム隊・GOTOと劔樹人が作り出すグルーヴを、オータケコーハンのギターと櫻井純気のシンセがおしゃれに着飾る。ちなみにソウル・ファンク調の吉川友楽曲といえば「#ひま粒し」があるのだが、あの曲を本人が自分の楽曲だと認識しているかは不明である(いや、もちろん吉川友名義でリリースされた楽曲ではあるのだけど)。

 

「ありがとうございました。新曲でした。こちらの新曲、また配信などでお届けできると思います。出来上がりのやつ(音源)聴いてください。私もまだ聴いてないんですけど、めっちゃかっこいい感じになっていますので、リズムを刻んで人生を生きていただければなと思います。」

 

最後に「ざっくばらんなサヴァイヴ」でフロアをグルーヴィーな空間へと変えた吉川友。現在、彼女とkitson meとのコラボアイテム(半袖Tシャツ、キャップ、パーカー)が販売開始されている(受注限定生産)。さらにきっかは、3月は東京・品川ステラボールと大阪・COOL JAPAN PARK OSAKAで開催される舞台『アクダマドライブ』に医者役で出演中。そして春になれば生誕ライブの実施が気になるところだが、こちらについては、ちらっと目にしたYU-M山田社長のインスタのストーリーによると、4月30日開催が有力……なのかもしれない(?)

吉川友、新曲「ざっくばらんなサヴァイヴ」を初披露

吉川友 オフショット

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