いぎなり東北産が、2024年12月29日にパシフィコ横浜 国立大ホールにて『いぎなり東北産 リベンジライブ』を開催した。公演中には、2025年7月9日に目標としてきた日本武道館でのワンマンライブ開催をサプライズで発表。メジャー デビューしてない レッスン生グループとして史上初の日本武道館単独公演という、グループ結成10周年を目前に控えての夢の実現に、“ナイツオブナインズ(Knights of Nines=九人組の騎士たち)”は会場5000人の歓喜と感動の声に包まれた。
※本稿は、オフィシャルリリース用原稿にMCパートなどを新規追加している。2ページ目には画像も。
パシフィコ横浜リベンジライブ、完全完売への道のり
『いぎなり東北産 リベンジライブ』は、2023年の年末に同会場で行われた『いぎなり東北産 2023年大一番ライブ ~いぎなり伝説への幕開け~』のリベンジライブ。2023年公演を完売できなかったことから、彼女たちは再度パシフィコ横浜で単独公演を開催することを同公演中に発表。2024年は、いぎなり東北産が結成9周年(TOHOKU9)を迎え、「負けない」ではなく「絶対に勝たないといけない」勝負の年と位置づけ、関東近郊で毎月のフリーライブを実施するなどファン拡大のため精力的な活動を続けた。
そして迎えた2024年12月29日、パシフィコ横浜 国立大ホール。事前にWebニュースにもなった通り、本公演のチケットは一般発売開始からわずか30分足らずで完売。また、12月25日からは視界に一部制限がある注釈付き指定席の追加販売も行われたが、こちらも瞬く間に完売した。前年の公演でチケットをソールドアウトできなかった悔しさをバネに、いぎなり東北産の9人が成し遂げた見事なリベンジ。その成果に、彼女たちとともに歩み、ともに戦ってきた「皆産」(いぎなり東北産ファンの総称)の顔も、1年ぶりに足を踏み入れたパシフィコ横浜 国立大ホールでの喜びと誇らしさに満ち溢れていた。
開演!熱気に包まれたパシフィコ横浜。「かわいい」を全力で届ける序盤
ステージ中央に浮かぶ大きなリボン。それはさながら、いぎなり東北産からのプレゼントボックス。やがて開演を告げるオープニングムービーがスタートすると、待ちわびた大勢の観客から歓声が上がり、会場の熱気が一気に高まる。その声に後押しされるように、ステージ上に浮かんでいた大きなリボンが左右に開き、幕の向こう側に広がったお菓子の城のような、パステルでカラフルで女の子の可愛らしさが詰まった空間と、スモークに包まれた9人が姿を見せた。
2024年のパシフィコ横浜公演のオープニングを飾ったのは、清竜人がいぎなり東北産に初めて提供した「チョコスプレー♡」。彼女たちが着用している、白を基調としつつも、背中にあるメンバーカラーの大きなリボンが特徴的な衣装。これはまさに同曲MVで彼女たちが着用した衣装を『リベンジライブ』のためにアレンジし直したものだ。
メンバーは、セットの階段を降りながら、ホール3階席の奥まで、もしくは1階フロアの上手と下手の見切れ席までもぎっしりと埋まった客席を目にして驚き、そして笑顔を覗かせる。1年ぶりにパシフィコのステージに帰ってきた彼女たちの瞳に映っていたのは、1年前に彼女たちが目にしたものとは明らかに違う、チケットが完全にソールドアウトした状態のパシフィコ横浜の客席だ。
序盤のブロックでは、いぎなり東北産の「かわいい」にフォーカスした楽曲が並ぶ。今回、彼女たちは初めてアレンジなしのグループ楽曲でヘッドセットを装着してパフォーマンスを披露。「みなさーん、いぎなり東北産です。今日は来てくれてありがとう。全力で楽しもうね!」と、桜ひなのが呼びかけると、続く「わざとあざとエキスパート」ではお菓子作りの道具を使い、「シャニムニポジティボー」では大きなキャンディーを振り回しながら、会場中に「かわいさ」を振りまいた。
一方で、かわいいにカテゴライズするにはやや異質とも思える「うぢらとおめだづ」。しかしこの曲は今回、アウトロでメンバーひとりずつが「『かわいい』って言って。」とか「あなたが好きだっちゃ♡」「養って。」「花彩のことだけ見てて。」などなど、かわいさを全放出するような萌え台詞が追加されていた。そんな想定外のパシフィコ・スペシャルでは、「ねえねえ、真珠ちゃんのそばにきて。ぎゅーして。あなたのことが、大好き♡」と、吉瀬真珠からゆるい円弧を描いて自分の元に飛んでくるハートマークがくっきりと見える一言が放たれる頃には、客席では両手でサムズ・アップして大興奮する人から、口からため息のような声を漏らして、もしくは魂が抜け出て脱力する人までが続出していた。
メンバーの熱い想いとリベンジ成功の報告
CGでステージ上のLEDスクリーンに表示されていたピンクのクマ天使を実際に抱きかかえてカメラにアピールする演出もあった「服を着て、恋したい」や「Trophy girl」を経て、本公演最初のMCへ。リーダー橘花怜からの「私たちは、東北を中心に活動しているレッスン生グループです!」という、いつもの挨拶のあと、9人はそれぞれに自己紹介。そして、足を運んでくれた観客を前にして、あらためてのリベンジの結果発表を行なう。
橘花怜「じゃあね。初めましての方もたくさんいると思うので、ひとりずつ簡単に自己紹介させてください。まずはるんちゃんから。」
律月ひかる「秋田県産の律月ひかるです。今日のモットーは「心に希望、背中にリボン」です。今日はたくさん愛し合いましょう。」
北美梨寧「宮城県産の北美梨寧です。 みなさん、私たちに会いたかったですかー? 楽しむ準備できてますかー? ばっちりですね。この1年間、私たちその日のために頑張ってきたと言っても過言ではないので、今日は、ただただみんなと一緒に楽しめたらいいなと思っております。楽しみましょう。」
葉月結菜「宮城県産の葉月結菜です。みなさん、かわいい東北産、どうですか? ねえ。ほんとに去年とはとっても変わってね。すごいかわいい東北産になっていますが、根は変わりませんので、今日はそんな熱い東北産も楽しんでいってください。最後までよろしくお願いします!」
安杜羽加「福島県産の安杜羽加です。今日ここにいる限りは、東北産とあなたひとりひとりとの時間です。幸せな時間を共に過ごしましょう。今年一ギャルで頑張ります。よろしくお願いします!」
吉瀬真珠「仙台産の吉瀬真珠です。今日はここにいるみーんなで一緒に幸せになりましょう。よろしくお願いしまーす。」
橘花怜「宮城県産の橘花怜です。 今日は、ずっとこうやってみんなにここに、満員のみなさんの前に立つ私たちを見てもらうのが夢だったので、とっても嬉しいです。2024年、みんな頑張ってきたと思うし、東北産も一生懸命頑張ってきたので、ご褒美みたいな時間を過ごしていこうね。最後まで楽しんでいきましょう。」
桜ひなの「はい、岩手県さんの桜ひなのです。はい。今日は本当にすごく楽しみで、昨日の夜は眠れませんでした。 みなさん、今日はみなさんの心、返さないよ。」
藤谷美海「はい。山形県産の藤谷美海です。私は面白いですかー? 今年一山形一。世界一面白く頑張ります!」
伊達花彩「はい。宮城県産の伊達花彩です。みなさん、お外寒かったですよね? だと思うんですけど、今日はもう思いっきり声を出して熱くなっていきましょう。よろしくお願いします。」
「見てよ、この景色。あらためて満員のみなさんで埋め尽くされているパシフィコ横浜を見れて感激です。ありがとうございます!去年『リベンジする』って宣言して、もうみなさんその結果はわかっていると思いますが、こちらです!」
安杜羽加がそう言うと、ドラムロールがスタート。そしてステージ中央のLEDスクリーンには「チケット完全完売!!(見切れ席含む)」の文字が表示される。見事リベンジ達成に、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。すると今度は、桜ひなのが「みんな、今日は完全完売ってことは、大勝利ってことだよね? 大勝利を宣言したいよね?」と客席に問いかける。「大勝利?」「宣言!」のコール・アンド・レスポンスで客席を煽り、「大勝利宣言」ではリベンジ成功の喜びを観客と共有。いつの間にかフロアの通路にはお立ち台が設置され、メンバーたちはステージを降りてお立ち台へ。観客と近い距離で笑い合い、喜びを分かち合った。
前半メドレーブロック:多彩な演出と表現力
ミラーボールの乱反射とスモークで幻想的な光景を生み出した「feeling」に、会場全体で踊った「ウィンターのアゲアゲバッコーン!」。リベンジを成功させた自信を胸に、感謝や喜びを歌に乗せて届けた彼女たち。
前半のメドレーブロックでは、GoProを使った「Papa」や、天井から垂らされた赤い幕が妖艶な雰囲気を醸し出す「Chim Chim Chim Knee」など、多彩な楽曲が披露された。それぞれの演出や曲調を通じて、いぎなり東北産の幅広い表現力を見せつける構成に、初参加の観客も存分に魅了された。
人気曲「いただきランチャー」を熱く激しく披露して空気をグッと引き締めたのち、メンバー同士がそれぞれを撮影する様子を追った動画が流される。映像の中でかわいさと綺麗さを身にまといながら、魅力的な表情をしてみせる彼女たち。普段のライブでは見せないような、モデルのような雰囲気の映像に観客の視線は釘付けだ。
新衣装でメンバーが語る2024年、そして未来への決意
ステージセットの階段上に勢揃いした「I decided」では、大きなリボンを背負った衣装から、新衣装となるメンバーカラーのドレスへとチェンジ。パシフィコの広大な空間に、桜ひなのと伊達花彩がリードする形で、9人は息のあったハーモニーをエモーショナルに響かせる。さらに橘花怜が「今年一年、負けそうになることもたくさんありました。でも負けずにここまで歩いて来れたのは、そばにいてくれるのが、みんなだったからだと思います。一緒に戦ってくれたみんなに想いを込めて歌います。」と話して「負けないうた」へ。彼女たちの絆のような力強い歌声と迫力のステージングに、観客は思わず息を呑む。そして「Symphony」。視線を合わせて、音を重ねる。呼吸を合わせて、想いを重ねる。かわいいだけではない、熱く激しいだけでもない。歌声で聴かせるいぎなり東北産。そんな彼女たちの表現力の高さに観客は圧倒され、手元でかろうじてペンライトこそ振り動かすものの、浅くなる呼吸を感じながら、9人の強烈な求心力でステージから目を逸らせなくなる。
ここで、いぎなり東北産としての2024年振り返りを行なう。まずは年下組いぎなりちゃん(橘花怜、桜ひなの、藤谷美海、伊達花彩)+律月ひかる。水分補給などのために裏に戻る葉月結菜に「るんちゃんお姉さんだから任せてもいいですか? 子守もよろしくね。」と年下組との振り返りを託されると、「はいよろこんでー。」と、居酒屋チェーンのバイトの子のような返事とともに、最年長・律月ひかるが話し始める。
律月ひかる「はい。こんにちはー。今年の振り返りということでね。去年もその、このパシフィコでやらせていただいて。で、「またリベンジをする」って決まった時は、それぞれ悔しい思いとかも色々あったと思うけど、私たちが1番大切にしているのは、目の前の方を絶対幸せにするっていうことだから、そこの目的を見失わずに、なんか全員で前向きに、同じ方向を向いて、なんかやってこれた1年だったんじゃないかなって思います。」
桜ひなの「そうだね。」
律月ひかる「私は、そのフリー巡業とかも、フリーライブとかをして、 その、新しく好きになってくれた方とかがたくさんいてくれたりするのも、すごい目に見えてわかったり。で。それはたくさん友達とかに広めてくれた皆産のおかげだったり、新しく好きになって、それをきっかけにここまで足を運んできてくれたみなさんだったり、ずっと好きでいてくれる方だったりのおかげだし、私たちのことをずっと支えてくれるスタッフさんなどね、たくさんの方の支えがあってのことだと思います。 ほんとにみなさんに支えられた1年だったなって、すごく実感しています。」
桜ひなの「すっごい心にきました。」
藤谷美海「そのとおりだ。」
橘花怜「かれんも、今年は、るんちゃんが「永遠だよ」って言ってくれたじゃないですか。うん。やっぱりなんか、永遠とかを口にするのって難しいと思うんだけど、なんか、永遠を願ってくれる人がそばにいて、 他にもさ、いっぱいみんながいるじゃん。それがすごい力強くて、なんかね、救われた。」
律月ひかる「ほんと? 救済! よかった。でも、かれんくんが「永遠じゃないから、 自分が頑張らなきゃ!」っていう、その思いが、かれんくんを強くして、その思いで、みんなを…なんて言うんだろう…連れて、強くしてくれた。だけど、ひかるはお姉ちゃんだから「大丈夫だよ」ってしてあげるからね。」
橘花怜「うんっ。(強く頷く)」
葉月結菜「(水分補給など終えて戻ってきて)よかった。ありがとうー。」
律月ひかる「あ、しゃべりすぎ? あとね、もちろん、みんなのおかげ……な、なんか(みんな帰ってきて)センターに来ちゃったし(笑)。すごい。もちろんみなさんのおかげだけど、ちゃんと私は、東北産のみんなひとりひとりもすごく頑張ったなって思うし。今日このステージに9人全員で立てたことが、まずすっごく嬉しいし。みんなにも、あの、いてくれてありがとうって思います。 (みんな)頑張りましたー。」
みんな「ありがとう。お姉ちゃん。」
そして葉月が、水分補給などのために律月といぎなりちゃんたちをセット裏へと促し、代わりに話し始める。
葉月結菜「はい。ということで、ちょっとここで私の方でも振り返ろうかなと思うんですけれども。 何回か私は言ってるんですけど、その、去年ね、ここ、パシフィコ横浜に立つ前に「来年もリベンジをします」って、私たち告げられていたんですね。その時に、もう、なんか失敗みたいなことになっちゃうのとか、なんかがすごく嫌で。 せっかくね、去年も来てくれたみんなも……それも失敗じゃないじゃん? 来てくれたからには「ありがとう」の気持ちでみんなに届けたかったんですけど、なかなかちょっとそこで葛藤というか、もうモヤモヤってすごいしてて。それだけじゃなくて、やっぱり私たちって今、日本武道館に立つっていう目標がありながら、なんかリベンジって、ここで立ち止まっちゃってる感じがあって。 なんか、いや、今ここで踏みとどまってていいのかな……ってすごい思っちゃったんですね。 なんかきっと誤魔化すこともできたと思うし、違う会場で、同じぐらいの規模でって言ったら、誤魔化しているけど、でもちょっと前に進んでる感みたいなのは出せたとは思うの。やろうと思えばね。でもこの1年、この『リベンジライブ』のためにいろんなことを頑張ってきて、私たちは誤魔化さないで、このリベンジっていう道を選んで良かったなって、今も、最近もずっと思っています。やっぱり このリベンジが成功したっていうこともあるけれども、リベンジの悔しさを胸に頑張ってたら、なんかすごいたくさんの仲間がいつの間にか増えていって、それはきっと本当にみんなのおかげ。なんか私たちの根っこの部分は、やっぱり「悔しい」とか「こんちくしょう」とか、そういうなんか東北魂じゃないけど、なんか綺麗な王道キラキラとかじゃなくて、ちょっと泥臭く踏ん張って踏ん張って、這いつくばって頑張るっていうのが私たちらしいのかなって、すごく思いました。そう、だから今回このリベンジという道を選んで、しかもそのリベンジが今日ここで成功して、大成功して、みんなの笑顔が見れて、私たちは本当に本当に嬉しいです。 ほんとにこれはね、みんなのおかげですからね。ほんとに。ここにいる皆さんもですし、 メンバーのみんなも、ひとりひとりもそうだし、関係者の皆様も本当にたくさん応援してくれて、そのおかげで私たちも去年から1年かけてポジティブな気持ちになれたしね。そう。だから今年は、このリベンジっていう道を選んで正解だったなって、今、思えてます。みなさんのおかげです。本当にありがとうございました。」
全員の準備が整ったところで、今度は橘花怜が、次の曲への曲振りとなるコメントをする。
「あの日があったからこそ、ここにいるみなさんとこうやって出会えてますし、この景色を共有できています。そう思ったら、本当にあの時『リベンジ』という道を選べてよかったなと強く思います。」
新曲「ナイツオブナインズ」初披露!
9人は円陣を組むようにステージ中央に集まって気持ちを高める。そして始まる、新曲「ナイツオブナインズ」。この曲は、今回の『リベンジライブ』のために制作されたもの。これまで発表してきた楽曲のエッセンスが取り入れられた振り付けと、彼女たちの2024年を詰め込んだフレーズと想いで歌詞を満たした楽曲。パシフィコ横浜公演をリベンジすると決めて、やれることをすべてやってきた2024年のいぎなり東北産。リベンジすることを決めたからこそ、出会えた人たちがいる。無駄なものなんて何ひとつなかった。すべては描いた夢、そしてその先のために。そんな想いを込めて、彼女たちがステージ上で強い輝きを放ちながら、願いを込めながら歌う。そして最後は会場全体での「WOW oh oh」のシンガロング。5000人の歌声はこの9人にとって自信の証。その歌声を思い出せる限り、彼女たちは描いた夢に、そしてその先に歩けるはずだ。
後半メドレーブロック:パシフィコ横浜が巨大クラブに!
「行くぜ東京アレルギー!」と伊達花彩がシャウトして、後半のメドレーブロックへと突入していく。ビートが激しい雨のように身体を叩きつける「東京アレルギー」に、会場一体となって盛り上がるアッパーチューンの「妄想方程式」。「Fly Out」や「BUBBLE POPPIN」では桜ひなのの力強いロングトーンに声援が送られ、安杜羽加の手慣れたギャルの煽りでオーディエンスは気持ちよくグルーヴに踊らされる。パシフィコ横浜は超巨大クラブになったかのような様相を呈する。
そして照明が激しく空間を切り取っていく「No Make」に熱狂の「シャチョサン」にポップでキュートな「沼れ!マイラバー」と、ライブは終盤に向けての畳み掛けに入る。多幸感と大団円に向かう熱狂の波を何度も生み出して、オーディエンスは飛んで跳ねてペンライトを振ってクラップを打って。トランス状態にも似たライブの一体感、心地よさがパシフィコ横浜を支配していく。
さらにここで、撮影可能曲として「Let’s シンガソング」を投入。直前に挟み込まれた映像演出の最中に、メンバーは3階席まである本会場の各階の扉に散って、再びの客席降臨を実施。目の前に突然現れたメンバーに観客は大興奮。彼女たちは観客の構えたカメラやスマホに笑顔を振りまく。そして「いぎなり魔曲」で再びメンバーはステージ上に集合。うちわを片手に東北スピリッツを高らかに歌い上げるお祭りソング「ワンダフル東北」で、会場全体に熱いコールを巻き起こしていた。
メンバーが語る感謝の言葉と、日本武道館への決意
ここで、今日の『リベンジライブ』の感想を簡単にひとりずつ話す時間が設けられる。律月ひかるは「今日はこのペンライトひとつひとつの輝きが本当に大切で、特別で。今までに見たどんなイルミネーションよりも綺麗でした。」と、季節感と彼女らしい感性を盛り込んだコメントを残す。北美梨寧は、「去年の今頃を思い出すと、きっと私たちだけじゃなくてみなさんもちょっともどかしくて悔しい気持ちだったと思います。でも私たちは負けなかった。」と胸を張り、今この場所に9人で立っていることの喜び、次のライブを約束できる幸せを語る。「私たちと出会ってくれて、そして好きになってくれて、応援してくれて、ほんとにありがとうの気持ちです。」と、ストレートにありがとうを伝えた葉月結菜。安杜羽加は「感謝と愛の気持ちでいっぱいです。」とシンプルに伝えながら、メンバーやスタッフ、そして観客への愛を惜しみなく表現。吉瀬真珠は「私は、みんながこうしてここにいてくれるから、ステージに立つことができています。」と、観客への感謝を丁寧に述べた。桜ひなのは「私たちのことを好きでいてくれていることが奇跡だと思う」と語り、観客ひとりひとりとの出会いを運命と捉えた。そして「今までもずっと好きでいてくれて、これからも好きでいてくれようとしてくれて、ありがとうございます」と、先にお礼を述べるスタイルで、皆産にいぎなり東北産を推し続けることをお願いした。
藤谷美海は「間違いなく私の人生の中で今日が一番幸せな日でした」と断言。「とってもラッキーでハッピー」な気持ちを率直に伝えた。伊達花彩は、開演が遅れたにもかかわらず待ち続けた観客に感謝しつつ、「みなさんのやさしさに沼ってます。」と曲タイトルにかけたコメントで笑顔を誘い、「もっともっと大きなステージに一緒に行きたい」と未来への意欲を示した。
そしてリーダーの橘花怜。途中、たどり着きたい言葉を見失いかけてメンバーや観客からのツッコミや笑いを引き出しつつ、「目的地さえ見失わなければ、すべてそれは夢につながる道」と今年の学びを噛み締めるように語る。さらに「120パーセントリベンジ大成功」と胸を張り、これからも前を向いて進む意志を明確にした。
律月ひかる「今日は、このペンライトひとつひとつの輝きが本当に大切で、特別で。今までに見たどんなイルミネーションよりも綺麗でした。幸せな時間をありがとうございました。」
北美梨寧「去年の今頃を思い出すと、きっと私たちだけじゃなくて皆産、ちょっともどかしいような悔しい気持ちだったと思います。でも私たちは負けなかったし、むしろ確実に成長して、今9人並んでること、そして皆さんがここにいることがすごく幸せだということ。そして来年とか次を皆産と約束できる今があることが、すごく幸せだなと思えた、そんなライブでした。」
葉月結菜「このライブを告げられた時は、本当にちょっと「あら〜」っていう気持ちだったんですけれども、今は本当にとっても「ハッピーハッピー」っていう気持ちで、 それは本当にここにいる1人1人、皆さんのおかげなんですね。なので、本当に今日は来てくれてありがとうですし、まずは私たちと出会ってくれて、そして好きになってくれて、応援してくれて、ほんとにありがとうの気持ちです。今日だけじゃなくて、これからもぜひよろしくお願いします。」
安杜羽加「感謝と愛の気持ちでいっぱいです。ここににいるメンバーはもちろん、スタッフさんも、そして今日集まってくださった皆産のこと、本当に大好きです。ありがとうございました。」
吉瀬真珠「私は、みんながこうしてここにいてくれるから、ステージに立つことができています。 これからもその思いを胸に頑張っていきたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」
桜ひなの「はい。岩手県産の桜ひなのです✨️。今日はほんとに来てくださってありがとうございます。こんなにたくさんの人が私たちのことを好きでいてくれてることが本当に奇跡だと思うし、運命だと思います。皆さん本当に好きになってくれて、私たちを見つけてくれて、ここまで足を運んでくれて、 今までもずっと好きでいてくれて、これからも好きでいてくれようとしてくれて、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」
藤谷美海「はい。今日は集まっていただきありがとうございました。間違いなく私の人生の中で今日が一番幸せな日でした。 今日という伝説の日を、みなさんとこの瞬間を過ごせたことが、とってもラッキーでハッピーです。ありがとうございました。」
伊達花彩「皆さん今日は来てくださってありがとうございました。今回、開演が遅れてしまったんですけども、こうしてちゃんと 待ってくれたことがとても嬉しいし、皆さんの優しさに沼ってます。はい。 でも、パシフィコ横浜も素敵なステージですけど、これよりももっともっと大きなステージに皆さんと一緒に行きたいです。これからもよろしくお願いします。」
橘花怜「はい、橘花怜です。皆さん、本日は本当にありがとうございました。はい。今年は「勝ち負けじゃない」なんて泣き言をやめて、みんなで戦ってきたこの1年間だったんですが、私たちの来てくれたみんなを笑顔にしたいっていうリベンジと、そしていきなり東北産としてクリアしなくてはいけないパシフィコ横浜を満員にするというリベンジ。 どちらもリベンジ達成できたなと思うので、120パーセントリベンジ大成功の1日だったんじゃないかなと思いました。目的さえ見失わなければ、道……ん? 夢さえ見失わなければ、全て道……? 目的地さえ……(そして彼女は伝えたい言葉が何だったのかを見失いかけている!)……『目的地さえ見失わなければどこ行ったって、すべてそれは夢につながる道』ということを今年学んだので、これからも無駄なんてことはひとつもないので、みんなで精一杯、前に進めていけたらいいなって思いました。本日も幸せな時間をありがとうございました。」
サプライズ発表!2025.07.09 日本武道館ワンマンライブ開催決定!
さて、ここからサプライズが始まる。その首謀者たる大人たちは、これから繰り広げられる景色に胸を躍らせつつ、PAのブースからステージ上と客席の様子を眺めている。橘は予定通り、ステージ上のLEDスクリーンに注目するよう促す。彼女たちが知らされていたのは、2025年4月26日(土)に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを開催する告知のみ。スクリーンに流れ始めた映像に驚きつつも、日比谷野音でのワンマン開催が発表されると、会場に合わせるように彼女たちもまた盛り上がる。そして、発表はここで終わると思われた── その瞬間、映像は続き、今度はいぎなり東北産の出囃子が流れ出す。
「え、まだあるの?」「BGM?それとも何か始まるの?」と困惑する9人。スクリーンには「みなさん、ここからはメンバーも知らない情報を発表します。」という文字が映し出され、いぎなり東北産チーフマネージャーのキャプテンEOの声が響く。「怖い怖い!」と動揺し、ステージ上に固まるメンバーたち。少年漫画のような展開に飛び跳ねて喜ぶ吉瀬真珠や、涙を堪えきれなさそうな橘花怜。観客の期待も高まる中、キャプテンEOからのメッセージが流れ始める。
「10周年を前に、このTOHOKU9であのステージに立っている姿が見たいです!」
この文字が映し出されると、これが何を意味しているのかを即座に理解し、期待感と興奮でガッツポーズを見せる観客の姿も。そして次の瞬間、スクリーンは2021年4月1日にYouTube上で行なわれたいぎなり東北産の生配信の映像に切り替わる。それは、いぎなり東北産が「日本武道館に立つ」ことを目標に掲げ、覚悟を決めた瞬間を記録した映像。そして再び映像は切り替わり、いよいよ発表の時。「いぎなり東北産」「日本武道館 ワンマンライブ」「2025年7月9日 開催決定!」の文字がスクリーンいっぱいに映し出される。
バーストする勢いで、5000人の大歓声がパシフィコ横浜を揺らす。その視線の先で、9人は涙を拭い、「ありがとう……。」「信じられない……。」「本当かな?」「みんなすごいじゃん!」と、声を震わせながらステージ上でお互いの顔を見つめ合う。彼女たちが、ずっと目標に掲げていた場所に、ついにたどり着く。皆産とともに目標を掴み取った瞬間。眼前に広がっていた光景は、これぞまさしく「尊い」という表現がふさわしい。
「……で、何日だっけ?」と伊達花彩がぽつりと呟く。突然の発表に、みんな日付を覚えきれていなかった様子だ。観客から「7月9日!」と声が飛び、「……平日? えっ、水曜日?」と、ちょっと冷静になった葉月結菜は気づいてしまう。途端に悲鳴を上げて倒れ込む彼女たち。初めての日本武道館公演が、みんなが来やすい土日祝日ではなく、まさかの平日開催だったという衝撃の事実、もしくは追加のサプライズ。「みんなの涙も引っ込んじゃった。」と、北美梨寧は苦笑い。そしていぎなり東北産は「みんな、有給取れる? 有給使える? 主婦も休める?」と慌てて観客に問いかけるのだった。
「あらためまして、いぎなり東北産は2025年7月9日に日本武道館に立ちます! 野音も、日本武道館も、その先も、皆産とずっと歩んでいけるように頑張ります。」
「願いが奇跡に変わる」のは、もう「いつの日か」ではない
そんなビッグサプライズを経ての『いぎなり東北産 リベンジライブ』最後の1曲。日比谷野音、そしてついにこの9人がたどり着いてしまった日本武道館に想いをつなげる1曲。それが「天下一品 ~みちのく革命~ 2020ver.」。橘花怜が限界突破する「天下一品!」の絶叫から間髪入れずに跳ねたリズムと歪んだギターの超攻撃特化なイントロの爆音。汗も涙も隠すことせず、制御できなくなりそうな感情もそのままに、全身全霊で想いをぶつけるいぎなり東北産。そして彼女たちの魂のパフォーマンスに全力で応えるべく、凄まじいコールと熱量でパシフィコ横浜を揺らす5000人の大声援。この一体感こそ、彼女たちと皆産が1年かけて築き上げてきた絆の証。爆発的な熱い想いの連鎖。彼女たちが1年間をかけて手に入れたものが具現化された、このまばゆいくらい鮮やかな光景。
これこそが、彼女たちが日本武道館ワンマンライブを決めた瞬間にみんなが見たかったであろう、いぎなり東北産の姿。
2024年。「絶対に勝つ」ことを掲げて、いぎなり東北産は全力で駆け抜けてきた。すべては前年のリベンジを成功させるため。いぎなり東北産と皆産となら、きっとやれる。そんな願いを胸に、それだけを信じて、この9人は戦ってきた。
迎えた12月29日。いぎなり東北産と、彼女たちを信じ続けた皆産が共有したパシフィコ横浜の光景。そこに生まれた想いと願い。それは、未来へと続く奇跡の道標となるだろう。ただ、これが例年と違うのは、今のいぎなり東北産と皆産にとって、「願いが奇跡に変わる」のは、もう「いつの日か」ではないということ。2025年4月26日、日比谷野外大音楽堂。そして2025年7月9日、日本武道館。奇跡は、公演日という名のもとに確定している。
我々は、ついにここまで来てしまったのだ。手を伸ばしたら届いてしまうところまで。
ならばもう、一緒に確かめに行こうではないか。いぎなり東北産が、そして皆産が、憧れ続け、描き続けた夢。その先に待つ、新しい物語の始まりを。
「本日は本当にありがとうございました。来年はいぎなり東北産10周年も迎えますし、 目標の日本武道館にも立てるということで、これからも皆産と一緒に夢の続きを描いていけるように頑張っていきたいと思います。 本日も、そして2024年も、ありがとうございました!」── 橘花怜(いぎなり東北産・リーダー)
取材・写真・文:Yosuke TSUJI
2024年12月29日『いぎなり東北産 リベンジライブ』@パシフィコ横浜 国立大ホール
セットリスト
M-0 OVERTURE
M-1 チョコスプレー♡
M-2 わざとあざとエキスパート
M-3 シャニムニポジティボー
M-4 うぢらとおめだづ
M-5 服を着て、恋したい
M-6 Trophy Girl
MC
M-7 大勝利宣言
M-8 feeling
M-9 ウィンターのアゲアゲバッコーン!
M-10a Papa(メドレー)
M-10b コンビニエント・エゴ(メドレー)
M-10c Chim Chim Chim Knee(メドレー)
M-10e メタハンマー(メドレー)
M-11 いただきランチャー
映像
M-12 I decided
M-13 負けないうた
M-14 Symphony
MC
M-15 ナイツオブナインズ(新曲)
M-16a 東京アレルギー(メドレー)
M-16b 妄想方程式(メドレー)
M-16c Fly Out(メドレー)
M-16d BUBBLE POPPIN(メドレー)
M-16e No Make(メドレー)
M-17 シャチョサン
M-18 沼れ!マイラバー
映像
M-19 Let's シンガソング(撮影可能曲)
M-20 いぎなり魔曲
M-21 ワンダフル東北
MC
M-22 天下一品 ~みちのく革命~ 2020ver.