照らし続けたあかりの、最後の煌めき。可憐なアイボリー・柴咲あかり卒業公演レポート

照らし続けたあかりの、最後の煌めき。可憐なアイボリー・柴咲あかり卒業公演レポート News

数日前に桜の開花宣言が出された東京。3月21日の日比谷公園は、シンボルともいえる噴水のそばに植えられた染井吉野が花開き、春の光景を描き出していた。そんな日比谷公園の向かいにあるイイノホール。この会場では、紫の光の花が咲き誇り、可憐なアイボリー・柴咲あかりの卒業という、もうひとつの春の光景が繰り広げられていた。

照らし続けたあかりの、最後の煌めき。可憐なアイボリー・柴咲あかり卒業公演レポート

チケットは早々にソールドアウト。ホールはグループにとっても柴咲にとってもメモリアルとなる瞬間に立ち会うことができる、幸運な観客で溢れかえっていた。

「今日もみんなの最高の推しメンでいるからね。」

紫の光とクラップ。そしてビートに重なるコールがイイノホールの脈動となる。幕が上がって、「私、アイドル宣言」からスタート。今日だけは、紫のドレスにティアラを着けた柴咲が視線独り占めだ。卒業はメンバーにとっても特別なもの。フォーメーションの中で柴咲と言葉を交わして、歌いながらあかりスペシャルなパフォーマンスを披露する。

「卒業発表してから3ヶ月。あっという間すぎない?でも今日もみんなの最高の推しメンでいるからね。」

「センパイ。」からの「遠キョリ。だって本気」「チームメイト」と、卒業する柴咲を重ねたような楽曲が並べられると、ホールにはみんな共通の気持ちが積もっていく。寂しいのは仕方ないとわかっていても、卒業とはそういうものだ。観客からの「あかり!」コールの強さも、そんな気持ちの裏返しである。

紫の光は、彼女の未来を照らす光になる。

柴咲ひとりだけを残したステージで、卒業にあたっての感謝の気持ちをしたためた手紙が読み上げられる。客席を埋めたオーディエンスの数だけ、柴咲との思い出はあることだろう。そんな客席が作り出す、暗闇に絨毯のように広がった紫色の光。いつも照らされていたからこそ、最後くらいは彼女の未来を照らす光のひとつになろう。そんな観客からの気持ちが伝わってくる景色を目の当たりにして、柴咲の目からは大粒の涙がこぼれ落ちる。

手紙の後は、再び「アイドルでよかった。」。彼女にとっての歌う意味、踊る意味。そして我々が柴咲あかりのラストに足を運ぶ意味。そのすべてがひとつの線で繋がっていく感覚。ステージ上で跳ねた愛が、水面に描かれる波紋のように客席へと広がっていく。

11人からの、ことば。

柴咲を送り出す11人が、ひとりずつ柴咲にメッセージを送った。

「誰よりも明るく照らしてくれる天才」と一ノ瀬直緒。橘美空は、最初から想いが溢れてしまい、声を震わせながら「一緒のグループになれてよかった」と語る。

河合ここゆはまさかのラップでメッセージ。先日バズった彼女のポストのように、マイクをエミネム持ちにして、さすがカレアイの次世代B-Girl? エミネムを目指すのだろうか。しかし、柴咲の卒業直前でのそんなここゆの想定外な覚醒に、柴咲も先輩としてボイパで応えるステージングを披露する。

「私にとってあかりちゃんはお姉ちゃん。友達じゃなく家族」と、妹であることをお願いした西原悠桜。「口角が痛くなるくらい笑わせてくれてありがとう。出会えてよかった」と、柴咲が卒業することでグループ最年長になるななさは、柴咲がそうであったように、姉としてメンバーをサポートしていくことを誓う。

福田ひなたは「相談するつもりなくてもなんかあったら話せてた」と、柴咲が自分にとって日頃の支えであったことに感謝する。「私にとって理想のアイドル。死ぬまで友達、死んでも友達。来世でも友達」と、柴咲を喜ばせたのは永尾梨央。土屋玲実は「きっとこれからも、私の友達兼メンタルトレーナー」と引き続きお世話になることをお願いした。

波左間美晴は「あかりちゃんの前では素直になれない」と涙ながらに語って、「本当に卒業してほしくないけど、笑顔で見送るううう…」と嗚咽を漏らすも、その様子が赤ちゃんみたいに可愛いとみんな爆笑。

高澤百合愛は「さりげなく気遣ってくれて、あかりちゃんがゆりの分岐点。こうやってアイドルを続けられているのもあかりちゃんのおかげ」と感謝を伝えた。そして寺本理絵は「あかりちゃんと話すとあかりで照らされたようになるし、こんなに名前がぴったりな人はいない」と、柴咲を称えた。

そして柴咲は、「あかりちゃんはこんな素敵なメンバーとアイドルしてたんだって誇ってほしい」と、自分のことを応援してくれた人たちにメッセージを発信する。

最後の瞬間に向けて、躍動する可憐なアイボリー。

12人で最後の円陣をステージ上で交わして、気持ちをひとつにして、ついにラストブロック。「僕らはきっとすごくない」で、煌めきの向こう側で、最後の瞬間を目指して躍動する可憐なアイボリー。「君は必ず好きになる」で、ラベンダー畑のように強くやさしく振られる紫のペンライトの向こう側で、涙はなく笑顔で、柴咲はいつも通り照らし続ける。

「夢ファンファーレ」や「それは好きってこと」は、むしろ旅立つ柴咲に向けてメンバーからの餞のように、ステージを目にする人たちに、柴咲あかりのいる可憐なアイボリーという形で、生きている証を刻みつけていく。

デビュー曲で、あの頃に帰る。

卒業生・柴咲あかりに、#あかりに照らされ隊・代表からの送辞を経て、可憐なアイボリーのデビュー曲(デビューステージだったTIF2021のグランドフィナーレで初披露した曲)「いつだって戦ってる」からアンコール。柴咲あかり卒業記念Tシャツにデビュー時を彷彿とさせるミニスカートで元気にパフォーマンス。人数も違うのに、あの頃の彼女たちが思い出される。

そして「最後のスピーチ」。それは可憐なアイボリーという女の子たちが、若い頃の貴重な時間を捧げて強い光を放つ物語だ。全身全霊で燃え尽きようとする歌唱に、声援で応えるオーディエンス。突き上げた紫のペンライトとシンガロング。特にこの日が最後となる「あかり!」コールは激しさを増す。最後だからこそ、ありったけの想いを込めて。明日の自分のことを顧みない猛者たちによる万感の想いは、ホール全体を揺らした。

「約束!」

卒業公演のラストに選ばれたのは「ファンサ」。「次も次もまた会えるよね」の後の「約束!」を、柴咲は観客に向けて大声で叫ぶ。重なる歓声の中で見せる彼女の笑顔は、次があるのではないかと我々を錯覚させる。いや、たとえアイドル・柴咲あかりは卒業が現実だとしても、今、この瞬間だけは次があるという夢を見ていたい。裏を返せば、最後の最後まで柴咲あかりは、そしてこの12人は、アイドルとして我々に夢を見させたのだ。

「灯は照らせていましたか? アイドルをしていくうちに、君の笑顔で私の方がパワーをもらってました。君とあかりの日常は明日から思い出に変わってしまうけど、これからは、心の中で、君を照らします。」

そんな言葉で、眩い残像のように可憐なアイボリーに愛を残し、ステージ上にそっとマイクを置いた柴咲あかり。

彼女の想いも、彼女への想いも、消えない。

照らし続けたあかりの、最後の煌めき。可憐なアイボリー・柴咲あかり卒業公演レポート
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