吉川友と吉川茉優がユニットを結成。新曲初披露

吉川茉優「タイトルは『Unfamiliar』ってなってます。」 吉川友「サグラダ・ファミリアでしょ。」

吉川友の2023年初ワンマンライブとなる『吉川友 LIVE 2023の冬きっか』が、1月28日に表参道GROUNDにて開催された。事前アナウンスされていたとおり、今回のライブには吉川茉優がゲストとして出演。吉川友と吉川茉優でユニットを結成したこと、そしてこのユニットでの新曲「Unfamiliar」が初披露された。

 

これまでの吉川友のライブでいうと、ユニットで楽曲をリリースしているでか美ちゃんが出演することはあったものの、事務所の後輩である吉川茉優のゲスト出演は初めて。ファンの中には、この出演が発表されたことについて何かを察知した人もいたかもしれない。“きっかわ”と“よしかわ”で名前が似てるから出演するのかな……くらいにしか思わなかった人もいたことだろう。かくいう私は、以前、どこぞの駅でたまたま吉川茉優と会った時に吉川友のライブに出演する話を直接聞いて「スケジュールが空いてたんだろうな。」くらいにしか思わなかったのだけど。

 

 

脚を出さない吉川友

 

前回のワンマンで、「ガッツリ脚を出す衣装は最後。」と脚出し卒業宣言を行なった吉川友。そして迎えた今回の衣装は、というと、脚の代わりに肩を出したワンショルダータイプのツーピース。スカートもミニとシースルー素材のロングスカートを重ねて宣言を忠実に守っていた。……が、しかし、実は彼女、リハーサルではシースルのスカートのほうを装着しておらず、普通のミニスカート姿で実施。「あの宣言は何だったのか?」と、会場にいたスタッフは疑問に思いながらリハーサルを眺めていた(まあ要は、本人的には脚は見せたくないけど、ロングスカートはロングスカートで足回りが邪魔ということなんだろう)。

リハーサルでの吉川友

「私にとっては2023年1発めのライブとなります。みなさんあけおめです。みんなさすがに仕事始まってるか……まだ始まってないよって方いる? いないか。みんな頑張ってるんだね、意外と。」

 

きっかは友フレのことを社会生活からの落伍者の集団か何かと勘違いでもしているのだろうか……? 「恋」「ざっくばらんなサヴァイヴ」と冒頭から会場に心地よいグルーヴを描いたのち、いつものようにトークでも軽快なグルーヴをみせている。

 

 

前厄は気にしたほうがいい

 

そしてここからはゲストと呼び込んでのパートに。まずは和田彩花のライブでのサポートミュージシャンとしてファンにはおなじみ、ゆえにきっか曰く「あやちょとズブズブ」な楢原英介をゲストミュージシャンに迎えて、「冬空花火」や「ありのままのI LOVE YOU」を楢原のアコースティックギターとともに披露する。いや、しっとりしたナンバーを披露する前に「お肌の曲がり角を迎えて、ついに足の皮が象さん(の肌のようにガサガサ)になった。」なんてMCを突然し始めるのはどうかと思うが、もしこれが、今からのパフォーマンスとのギャップを狙っての、あえてのMCだとしたら、それは驚くべきほどに計算され尽くした展開の組み立てである。……まあでも絶対に違うけど。

 

しかしながら、ギターやピアノだけという音数少なめのバッキングだけで歌わせたり、海外のステージに立たせたりすると、吉川友は歌姫であることをこれでもかと思い知らされる。2月5日にタイ・バンコクのセントラルワールドにて開催されたジャパンエキスポタイランドのステージでも、彼女が歌い始めた途端に、これまでとは会場の空気も現地の観客の反応も変わったのが画面を通してもわかるほどだった。

吉川友

「私、今年、前女……?前年……?前厄?なんですよ。みんな前厄は気にしたほうがいいですよ。」

 

今度は自身がハロプロエッグ時代の前厄だった時のエピソードを交えながら、厄についてあまり気にしないグローバル・スタイルな友フレたちに向けて、ステージ上から前厄について警鐘を鳴らすジャパニーズ・トラディショナルな吉川友。前厄の女として「インターホンが壊れた」という最新のエピソードを持ち出して説得力を高めつつ、インターホンが壊れると、時間指定の荷物を受け取るのにどれほど不便かを力説する。なお、この日も荷物が午前着指定で届く予定だったので、不在票が入っていないか、パジャマ姿で髪ボサボサのノーメイクでマンションの郵便受けを見に行ったところ、たまたまその荷物を持った運送業者の人と鉢合わせしたとのこと。「すごくない? スピリチュアルでしょ、私。第六感働いてる。女の勘ってすごい。」と、吉川友本人は興奮気味に語っていたが、観客の誰もが「宅配便のお届けにスピリチュアル要素は要らないので、さっさとインターホンを直せばいいのに……。」と思いながら、その話を耳にしていたのだった。

 

さらに楢原はアコギから鍵盤にスイッチして、前厄の女が歌う「暁」。ここで、きっかは曲の入りをミスしてしまい、思わず一度楢原のピアノを止める。そして「前厄だ……。これが前厄か! 怖っ! 前厄って怖いですね!」と狼狽える。どうやら吉川友は、期間限定ながら、ミスした時の“都合のいい言い訳”を獲得してしまったようである。

吉川友

 

厄年でアプガ(2)になった吉川茉優

 

「こんな愛しちゃ」「こんな私でよかったら」と、想定以上にトークとパフォーマンスで緩急ついたステージを展開したのち、きっかは楢原と入れ替わる形で、今度は「YU-Mの“まゆゆ”です!」というややこしい表現とともに吉川茉優を迎え入れる。

 

「吉川茉優ちゃんは、アップアップガールズ(2)のメンバーとして活動していたんですけど、いつからか喧嘩で辞めてソロになったんだっけ?」

 

「あ、ちょっと聞いてください。さっき厄年の話していたじゃないですか。私、厄年でアプガ(2)になったんですよ。」

 

どこのグループであっても基本的にメンバー間は仲が悪いことにしておきたい吉川友からの(ある意味いつもどおりの)ボールを、厄年でアプガ(2)に加入したという話題をもって打ち返す吉川茉優。我々は一体この発言をどう受け止めたらいいのだろう。話の流れをそのまま受け止めていいものなのか。だとしたら、それはそれでどうなのか……。吉川友を含めて会場中に思考回路をフル回転させた挙げ句、「厄年は悪いことだけでなく、いいこともあるかもしれないね。」と、あの吉川友をフォローに回らせた吉川茉優は、吉川友以上にただ者ではないのかもしれない。

吉川茉優

吉川友からバトンを引き継ぎ、ソロになってライブのステージで歌うのは初めてという吉川茉優のステージは、その吉川友「こんな私でよかったら」のカバーから。歌う前に出だしの歌詞を客席に確認するというお茶目な一面も見せつつ、吉川茉優の同曲は(直前に吉川友が披露した、楢原の鍵盤とのセッションとは異なり)オケでダンスありというオリジナルに忠実なスタイル。特に近年、吉川友はバンド形式での同曲披露が増えていたり、オケで披露する際もあの頃のダンスではなく、そのエッセンスだけを抜き出した振りが増えていたこともあって、吉川茉優の「こんな私でよかったら」には懐かしさを覚える人たちが続出。客席はグリーンのペンライトが大きく振られて大盛りあがりとなっていた(そもそもまーちゃんは背も高いし手足が長いのでダンスが映える)。

吉川茉優

 

吉川友と吉川茉優の新曲「Unfamiliar」(サグラダ・ファミリア、ではない)

 

さらに自身が作詞したロックチューン「love rescue」を心地よく歌い上げてフロアを沸かせると、再び吉川友がステージに呼び込まれる。そして、この日の公演でなぜ吉川茉優がゲストなのか。そのからくりが吉川友の口から明かされることになる。

 

「今回は、よしかわきっかわで、名字が似ているということもあって、ユニットではないですけど……あ、ユニットなんですか? ユニットにしましょう、ということで、私、はや10年くらいソロなんですけど、急なユニットきた。まあ、でか美ちゃんとのユニットはありますが、今回はよしかわきっかわでユニット結成ということで、なんと曲があります。」

 

ありそうでなかった、このふたりのコラボレーション。新曲「Unfamiliar」は吉川茉優が、悩みに悩んで時間をかけて歌詞を書き上げたという。

 

「私以外の方に、自分の歌詞を歌っていただくのは吉川友さんが初めてです。なのですっごい悩んで、考えました。」

 

「どおりで覚えづらいわけだ。」

 

「ひどい(笑)。歌詞にいろいろ詰め込んじゃったんですかね。この曲は、私たち、東京に上京してきた組って感じだと思うんですけど、東京に来て感じた、東京っていう不思議なものに対する想いだったり考えをこの歌詞に書いたりして。私たちふたりの中でも年齢も違うし、東京で過ごした年数も違うけど、そんなふたりが一緒の曲を歌うのは素敵なことだし、この機会でしかないと思ったので、両者の違いとかも込めました。タイトルは『Unfamiliar』ってなってます。」

 

吉川茉優から語られた曲への想いとタイトルに「サグラダ・ファミリアでしょ。」とボケを重ねてくる吉川友。そしてふたりは声を合わせて、「それでは聴いてください。『Unfamiliar(吉川茉優)』『サグラダ・ファミリア(吉川友)』」と曲フリ。客席から笑いが漏れる中で、おしゃれなミディアムバラードの新曲が披露される。

吉川友と吉川茉優

このふたり、歌声の輝きが似ているのか、ユニゾンで歌うととてもよく混ざり合う。この段階ではリリースは未定とのことだが、声だけでなく、曲調も歌詞も含めてふたりの雰囲気にマッチしていた楽曲だったので、普通に音源化が待ち遠しいと思った人も多かったはずだ。ちなみに、ラストの「東京」だけユニゾンではなくハモリになっていたのだが、これはリハの時にふたりで歌ってみて、吉川友が「最後、ハモろう。」と提案したことから、本番ではその言葉どおりハモリになったことを付け加えておく。

 

なお吉川友と吉川茉優は、3月12日に合同ライブを表参道GROUNDにて開催することも合わせて発表された。

【公演名】
LIVE きっかわゆう と よしかわまゆ
【日時】
2023年3月12日(日)
①開場13:00/開演13:30
②開場17:00/開演17:30
【会場】
表参道GROUND
東京都渋谷区神宮前4-2-12 WES B1F

【チケット料金(全席指定)】
SSチケット:¥25,000(税込/別途ドリンク代)
※前方席、SS Tシャツ、撮影券付き(当日お渡しします)
※SSチケットを申し込めるのはSNS先行のみとなります。負けん気メール先行と楽天チケット先行からは一般チケットのみ申し込みできます。
一般チケット:¥5,000(税込/別途ドリンク代)
※3歳以下無料、4歳以上チケット必要

チケット申し込みは楽天チケットにて—> https://ticket.rakuten.co.jp/lots/events/40621/entry/38250/agreement

吉川友と吉川茉優

吉川茉優とのコラボを経て、後半は再び吉川友のステージ。ハッピーなグルーヴゆえに、リハでは複雑な譜割りに苦戦していた「SEAGULL」から始まり「Sweetie」「NEO SUGAR SUGAR YOU」。そして、出だしをミスって「よっしゃー! 厄年やっほーい!」と開き直った「ずっとずっとずっと君がスキだ」と、ライブで盛り上がる楽曲たちにハプニングという点火剤まで投下して、最後まで笑いと高い熱量を保ったままで2023年の吉川友初ライブは幕を閉じた。

 

「心強い相方がもうひとりできたので、今後、また頑張っていきたいなと思います。多分、後から「曲間違えたの、前厄のせいにするな」ってスタッフさんからツッコミが入ることは重々承知しております。でも前厄のほうはみなさんも気をつけていただけたらなと思います。また、お会いできる日が来ますように。ごち(そうさまでした?)……ありがとうございました(笑)」

 

ちなみに余談だが、吉川友はこのワンマン終了後、2月3日より3日間、タイで行なわれた『JAPAN EXPO Thailand』に出演した。グランドフィナーレでは主催の隣というポジションで紹介されるなど、本フェスのヘッドライナーのような扱いを受けていたのは記憶にも新しいところである。

 

吉川友

吉川友と吉川茉優

吉川友と吉川茉優

【公演名】
LIVE きっかわゆう と よしかわまゆ
【日時】
2023年3月12日(日)
①開場13:00/開演13:30
②開場17:00/開演17:30
【会場】
表参道GROUND
東京都渋谷区神宮前4-2-12 WES B1F

【チケット料金(全席指定)】
SSチケット:¥25,000(税込/別途ドリンク代)
※前方席、SS Tシャツ、撮影券付き(当日お渡しします)
※SSチケットを申し込めるのはSNS先行のみとなります。負けん気メール先行と楽天チケット先行からは一般チケットのみ申し込みできます。
一般チケット:¥5,000(税込/別途ドリンク代)
※3歳以下無料、4歳以上チケット必要

チケット申し込みは楽天チケットにて—> https://ticket.rakuten.co.jp/lots/events/40621/entry/38250/agreement

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