Maaya Takeda held a 2nd live concert “Takee Sonic” on August 25th.
She sang 12 songs with playing her acoustic guitar made by Taylor Guitars named “Hijiki-Maru (Mr. Hijiki seaweed).
At the concert, AOI Michelle, an acoustic guitarist, supported Maaya’s performance. Maaya and Michelle played guitars sensitively yet strongly, and the audience listened to their comfortable sounds.
“Someday, I’ll become an artist who you can be proud of having gone to see this concert today.” Maaya said.
先日、テイラー・スウィフト、ジェイソン・ムラーズらも愛用するギターメーカー・Taylor Guitarsから、テイラーを愛用している期待のアーティスト「NEXT GENERATION」のひとりとして認定された武田舞彩が、8月25日、代官山LOOPにてワンマンライブ『武田舞彩2nd Live たけーそにっく~にんじん』を開催した。
7月には、たまたま訪れた「としまえん」にてステージを見つけて園側と交渉。翌日にはその場所でライブを行なっていたというサプライズ的なものこそあったが、ワンマンライブと銘打って行なうものは、5月29日の事務所移籍後初となった『改めまして、武田舞彩です 〜いちご〜』以来、3ヶ月ぶりとなる。
「何かが起こるかも」と本人が予告していた開演30分前。会場にはおもむろに武田舞彩の音声が流れ始める。「たけラジ」と名付けられたこの番組は、武田舞彩がひとりで30分のトークに挑戦という趣旨。なお、舞彩は一応30分にわたるひとり喋りを完走したことはしたが、とはいえ、話すネタがなくなって早口言葉をおもむろにやり始めたりしたのもまた事実である。
“人生はまるでメリーゴーランド”という表現で、夢に向かって歩み続ける気持ちを綴った「ジャーニー・ガール」からライブはスタートする。この日は16時からのリハーサル、19時からの本番にも関わらず、超サイヤ人かというほどにパワーを持て余してしまい、お昼くらいからずっと歌っていたという舞彩。もちろん本番でも絶好調で、テイラー・スウィフトと同じモデルという愛器のギター(名前は“ひじき丸”)をかき鳴らして気持ちよさそうにメロディーに歌詞を乗せていく。
今回のライブには、アコースティックギタリストの葵ミシェルがサポートとして参加。本人弾き語りのみによる前回のライブと比べると、葵の演奏が加わったことで曲の表現の幅も、音も厚みを増した。ちなみに、葵ミシェルとは、彼女が新宿の山野楽器に“ひじき丸”のリペアに行った際、たまたま店頭でパフォーマンスを披露していた葵の音に運命を感じたからだそうで、その場で「このあと、ご飯行きませんか?」と誘って、ジンギスカンを食べながらライブのサポートをお願いしたという。そんな運命的なエピソードと、武田舞彩の想定外の行動力、それに応じた葵ミシェルの度胸には驚くばかり。ただ、これをドラマティックなエピソードに仕上げることもできるが、事実だけを単に羅列してみると、武田舞彩による単なる「ナンパ」である。
しかし今回のライブでは、舞彩自身のギタースキルが恐ろしいほどに上がっていたことに気づいたファンも多かったことだろう。3ヶ月前のライブでは、ギターストロークに粗も見えていたのだが、今回の彼女は曲ごとにギターの音の出し方を変えて、曲のグルーヴをコントロールするまでに上達。前回のライブ後から彼女は世間に向けてほとんど音楽活動に関する情報を発信してこなかったが、その間にどれだけギターを練習したのかは、一目、いや、“一聴”瞭然だった。
「ありがとうございます! 武田舞彩です! 今日は『武田舞彩2nd Live たけーそにっく~にんじん』にお越しくださりありがとうございます。みなさん聞いてくださいよ! 今日は8月25日らしいですよ。いたって何もないんですけど、夏が終わるみたいですので、今日はスタンディングですし、各自、自由に楽しんでいただいて結構、けっこう、コケコッコーなんで。今日は来てくださって、センキューソーマッチ、ベリーマッチということで。ありがとうございます。」
最初のMCでは、そんな彼女の人知れずの努力をなかったことにするかのような、LA仕込みのアメリカンジョーク(?)が冴え渡る。その威力は、ライブに足を運んでいた“teamお弁当”こと、舞彩の学生時代の友人たちからも、思わず「えー。無理(笑)」と声が上がるほどだ。
LA仕込みという意味では、今回用意された新曲2曲のうち、「あげだしっ」もそうだろう。タイトルからは「あげだしっ……揚げ出し豆腐……お腹にもやさしい和食の歌かな?」なんて想像するかもしれないが、舞彩が口を開くと、実はこれがとんでもない刺激物。リアリティーと鬱憤が詰まった、強烈な言葉が歌詞として並んでいることに気づかされる。そして彼女が手書きで綴った歌詞に目を落としてみると、「あげだしっ」とは「xxxxxxxx」と伏せ字にせざるを得ない英語のスラングだとわかる。「私もLAに留学していろんなことを学んできました。」と、あっけらかんと語っていた彼女だが、当然、いいことも悪いことも吸収してきたのだろう。それが武田舞彩であり、それが人生というものなのだ。……と、話を濁しておく。
「夏といえば、私の中で言えば、“あつい”季節ってイメージがあるんですよ。みなさんは、何か……チョメチョメ的なことありましたか? あ、チョメチョメにも種類があるんですよ。ライトなほうとディープなほう。浴衣着てお祭り行った人とかいますか? あー、いいな。それもチョメチョメのひとつです。みなさん、なんかチョメチョメないんですか? よきチョメチョメ。Goodチョメチョメ。ないの? 一緒ですね。私も今年の夏はチョメチョメ的なことがあるかなって。でも無事なかったんですけど(笑)。」
陽気なアメリカンジョークの次は、なぜか舞彩は胸を躍らせながら往年の流行語「チョメチョメ」を連発。1日にこれだけ「チョメチョメ」を発言するのも武田舞彩か、在りし日のスター・山城新伍くらいなもの。
なお、このチョメチョメ発言も含めて、彼女は事あるごとにサポートの葵ミシェルにも話を振っていたので、開演前の武田舞彩マネージャーの予言のとおり、今回のライブにて、舞彩の当たり屋のようなトークの一番の犠牲者は、間違いなく葵ミシェルである。
その後も、「お酒を飲んで記憶を飛ばすっていう楽しみが最近わかってきた。」「お盆に白い神様がスーッて通ったのでお祈りした。」「電車に乗ったら全部が英語に聞こえる怪奇現象が起こった。」などなど、8月21日に21歳の誕生日を迎え、ますます混迷を深める、むしろ泥沼のような舞彩ワールドが展開されるたび、会場からはざわつきが止まらない。ただ、なんとなく彼女の名前やバックボーンを知っているような人たちに、武田舞彩ファンから伝えたいことはひとつ。「これが武田舞彩だ」ということだろう。
20代になって共感できるようになったというハンバート ハンバートのカバーで「虎」、そしてテイラー・スウィフト「Never Grow Up」。さらにひと夏の出来事を綴った新曲「ふたつの傘」。武田舞彩は、それぞれの曲が描いたシーンが瞼の裏に映し出されるかのように、情感たっぷりに歌い上げる。前回のワンマン以来となる観客も、別のルートで彼女のことをたまたま知って会場に足を運んだという人も、照明の中で浮かび上がる彼女を眩しそうに見つめ、そして気持ちよさそうに歌声に身を委ねる。
「あなたの呼吸が止まる前に」は、前回ライブで初披露した曲のひとつ。この曲になると、舞彩の少しハスキーな歌声が一段とウェットな響きを帯びる気がするのは、ボーカリスト武田舞彩の表現力ゆえのものなのかもしれないし、この曲の裏側にある出来事を、彼女自身も思い出しているからなのかもしれない。“忘れてはいけない人ではなく、忘れられない人”へ向けた曲。切なさと悲しさ、後悔、そしてさよなら。それらをすべて包み込むように、葵ミシェルの奏でる澄んだ音色がそっと寄り添う。
また、天井のミラーボールが星屑をフロアに撒き散らした「Say You Love Me」(この日の舞彩曰く「チョメチョメ系の歌」)では、夏の日差しを避けるように吹き込んでくる心地よい風のようななめらかなボーカルと、きらびやかなギターの響きが重なる音に、観客もクラップを打って応える。会場は一体となって、エキサイティングなグルーヴが生まれていた。
「高校の頃の友だちから、『舞彩ももう21歳か。高校の頃はクレイジーだったよね。』って連絡がきたんですよ。確かに、高校の頃はマイルドヤンキーというか。楽しいことをしたいタイプだったんですよ。ふざけたいし、先生にも怒られまくってて問題児扱いされてたというか。でも、いいほうの問題児ね。ヤンキーじゃなくて、私、マイルドヤンキーだから。でも今は大人になったよっていうか。最近、自分が大人になったって思うんですよ。成長した気がする。……そんな変わってないか。みんなが冷たいから次の曲行きます。」
マイルドヤンキー・武田の青春にもつながる「サヨナラ、僕の⻘春。」へ。この曲は、彼女が自分の青春をかけていたものが昨年なくなり、かといって、いつまでも後ろを向いているわけにもいかない。そんな自分に区切りをつけるためにも書いたという。昔から彼女を応援してきた人たちは、それが何なのかは言うまでもない。ただただ「果たせない約束が / また一つウソになる」という彼女が自ら綴ったフレーズが、今もなお彼女の、彼女たちの胸を痛め、苦しめ続けているのではないかと想像すると、我々もいたたまれない気持ちになる。
同時に、この想いをさせないために、今、ファンとして彼女たちに何ができるのだろうか。そんなことをいつも考えてしまう。
「私にはすごく嫌いな野菜がありまして。それは『なす』っていう野菜なんですけど。『なす』っていうのは、人気じゃないのに、夏の野菜の代表ぶってるというか。“『なす』、お前はそこじゃない”って思うんだけど、勝手に周りに流されて、人にすがって生きてるような。“麻婆豆腐”ってあるじゃないですか。“麻婆豆腐”が人気だからって、“麻婆茄子”とか作って。“いやいやパクリだろ。自分の力でやれよ”って。見た目だけ黒光りしやがって、中身は白いじゃないか。栄養素もない。くだらない。私の大嫌いな『なす』みたいな奴に歌います。 」
空気をガラッと変えて、斬新な曲の入り方をしたのが、武田舞彩に対するイメージとのギャップから、ファンの間で一気に人気曲となった「なす」。そして、未来への希望を託した「NEW WORLD」など、武田舞彩は自身の持つ様々な面を披露して、オーディエンスから喝采を浴びる。
「こうやってずっと応援してくれる方がいるのは嬉しいことだなって思いますし、こういう環境が当たり前じゃないってこともわかっているし、ステージに立てていることも当たり前じゃない。だから、本当に私はみなさんのことが大好きだし、感謝しているし。だからこうやって感謝を伝えられる場所があってよかったなって想います。ここで歌わせてくれてありがとう。そんな気持ちでいっぱいです。」
客席から起こったアンコールに応えるために用意された曲は、以前、ラジオ出演時に初めてお披露目となった、ほぼ初披露といってもいい「Glory」。舞彩は、集まったひとりひとりに気持ちを届けるように、力強いストロークと声で歌う。その瞳が輝いていたのは、ライトの明かりが反射していたから、だけではない。未来への希望を胸に、自分を信じ、自分の可能性を信じて前を向いて歩き続ける武田舞彩の決意が、彼女を輝かせるのであろう。
「いつか、今、こうやってライブに来たことがみなさんの自慢になるように。そんなアーティストに絶対なりますので、これからも応援よろしくおねがいします!」
最後にそう話した武田舞彩に、会場からは惜しみない拍手がいつまでも鳴り響いていた。
なお、本ライブでは、武田舞彩のファンコミュニティー『舞彩組』の結成が発表された。「マイルドヤンキー感しか感じない。」と葵ミシェルからもツッコまれた『舞彩組』は、fanicon内で開設。同コミュニティーでは、武田舞彩にまつわる様々なコンテンツを発信していくとのこと。本人も、「私、情に厚いタイプなんですよ。『舞彩組』って名前は友情を感じるじゃん? 私、友達にはそういうのを赤裸々に語りたいタイプなんです。だから、(faniconの)アプリ内で、いろいろ語りたいと思います。」と、自身のコミュニティー運営にも意欲をみせている。