なぜ吉川友はカメラを前にすると脱ごうとするのか?

『吉川友 どんなときも笑顔になれるLIVE』

吉川友が、さる7月7日に新曲「どんな時も笑顔で」配信リリースを記念した公演『吉川友 どんなときも笑顔になれるLIVE』を渋谷のO-nestにて開催した。彼女にとっては久しぶりとなる平日開催のライブ。とはいえ、開演時間が近づくと、会社や学校を終えた友フレがいつものように集まり、そして客席を埋めていった。

 

なぜ吉川友はカメラを前にすると脱ごうとするのか?

暗転したフロアに鳴るオープニングSEの「〜Ignition〜」。ここで客席からの歓声やコールがないことにも慣れてきた昨今。O-nestのそばにある道玄坂は、毎晩、路上飲みの若者で溢れかえっており、むしろコロナ前より街の治安や景観は悪化しているように思える。が、しかし、そんな中でもライブの主催である事務所や会場となるライブハウスは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止ガイドラインに則って営業し、感染者の発生を防いでいる。他がどうかは知らないが(イベンターの中には、グループをまたいでのクラスターが発生しかねないようなことを平気でやろうとしてくるモラルの低いところもあるが)、吉川友の公演において、これは事実である。

 

ステージのライトが、白を基調としたワンショルダーの吉川友を照らし出す。1曲目はバンドメンバーを従えない形で新曲「どんな時も笑顔で」。きっかは、気持ちが弾むビートの上で、中島卓偉が紡いだメロディアスなボーカルパートに言葉を乗せていく。客席では、彼女を象徴する黄色のペンライトの光が揺れる。

 

「今日、7月7日、「どんな時も笑顔で」配信リリースできました。ありがとうございます。そして今日は配信リリース記念ライブということで、平日お集まりいただきまして、みなさんありがとうございます。嬉しい。ありがとう。」

 

きっかは感謝の気持ちを口にして、そしてきっかバンドを呼び込む。

 

「ここ2、3年、バンドメンバーさんに演奏してもらって歌うというのがワンパッケージになっているので、今日の最初、オケで歌うのが久々の感覚で。デビュー当時はそれ(オケで歌う)が普通だったんですけど。だから、すごい緊張しちゃった。「どんな時も笑顔で」ってタイトルなのに、めっちゃ顔ひきつってたでしょ、私。」

 

そんなトークを繰り広げつつ、前半では「8月の花火」「恋」「Sweetie」「こんな私でよかったら」と、夏の暑さを吹き飛ばすような曲を立て続けに披露した。

 

吉川友

ところで、この日のきっかはいつも以上に調子だったと記憶している。まあいつもどおり、久しぶりの曲で歌詞を飛ばしたりとかはあったものの(「こんな私でよかったら」で、「どんだけ前髪切り過ぎるつもりねん!」と、ツッコミを入れたくなるほどに)、リハーサルをやって、その後にもう1回軽くリハーサルぶんくらい歌ったのがよかったのか。それとも久しぶりにライブに足を運んでくれる友フレがいたからなのか。いずれにせよ、大事な日に限って風邪をひくというジンクスも発動することなく、パンツスタイルだったので無防備に足を開くこともなく、急遽決まったライブだったにも関わらず、歌もトークも絶好調だった。

 

「最近、金とかキラキラした衣装が多い。今日も……なんて例えたらいいんだろう。“極道の妻たち(ごくどうのおんなたち)”みたいな。なんか(肩に入れられた桜吹雪を見せつける仕草で)、あれやっとけばよかったな。「この、黄門が目に入らぬか!」みたいな。……あれ? 黄門じゃない? これダメなやつ? 弾かれるかな、ツイキャス? ラジオでも不適切発言とかして、のちほど聞くradikoでピーが入ったってことが以前あったんですけど、ツイキャスって後から(アーカイブ)観れるじゃないですか。初めてピーって入るか、黒い砂嵐画面になるかどっちかだね。正解だけ教えて、もやもやする。黄門って言ったのがダメだったんですか? ……(『水戸黄門』と『遠山の金さん』が混ざっていることを指摘されて)あ、そっちで笑ってたんだ。びっくりした。私、黄門って言うのがダメなのかと思った。」

 

「この、黄門が目に入らぬか!」。文字にするとただのきっかの勘違いでしかないのだが、音にするといろいろアウトである。

 

なぜ吉川友はカメラを前にすると脱ごうとするのか?

その後も、自称“感じやすい女”もしくは“吸い込みやすい女”だという吉川友は、除霊できる占い師にたまたま会って「ヤバい」「多重人格」と言われたエピソードを披露。きっか本人曰く悪霊が溜まっていた親知らずを抜いたことでホントのじぶんを取り戻したという、壺を買わされる展開なのかBuono!なのか再びピーが入るのかよくわからないトークをふわふわと展開していった。

 

そしてライブの定番であるバラードコーナーへ。今回はオータケコーハンのジャズマスターの甘いトーンをバックに「プラネタリウム」、そしてベントラーカオルのピアノとともに「会いたくなったら」、さらにピアノにギター、ベースとドラムも加わっての「世界中に君は一人だけ」を披露する。全体的に光量を落としたステージで、白いドレスの吉川友が歌い上げるバラード。トークとの差を考えると、件の占い師が指摘した「多重人格」というのも、あながち当たっているのかもしれない。

 

なぜ吉川友はカメラを前にすると脱ごうとするのか?

後半戦はいつもの通り、ライブを畳み掛けるようにアップテンポな楽曲を並べる。「アカネディスコ」で一気に会場を沸かせると、バンドになると妖しいロックチューンになる「URAHARA テンプテーション」で、きっかは誘うように艶めかしく視線をフロアに配りなら歌い上げる。

 

「恋愛遠慕」の持つ疾走感そのままに「Twinkle Days」。そして最後はバンドバージョンでの「どんな時も笑顔で」を披露する。中島卓偉が生み出したメロディーにバンドサウンドならではの“ライブ感”が加わり、“どんな時も笑顔で”というメッセージは決意のような響きをも持ち始める。

 

最後は笑顔で締めくくった今回のライブ。しかしながら、きっかはなぜ配信用のカメラを前にすると、何かをチラリさせようとしたり、衣装を脱いで肩を出そうとするのか。露出したいという癖でもあるのだろうか。

 

10年経っても吉川友はやっぱり謎である。

 

吉川友

 

◆吉川友 オフィシャルブログ
◆吉川友 Twitter

吉川友の関連オリジナルコンテンツ(画像、記事)

No more articles