Hina(永井日菜)、音霊からソロ活動開始

新曲「wake up」「Good friend」「gift」披露

Hina started her career as a solo singer on the stage of Otodama Sea Studio.
On September 11th, she went on the stage and sang seven songs, including her original songs “Wake Up,” “Good Friend,” and “Gift.”

By the way, her costume looked very expensive, but in fact, “It was very cheap,” she said.


9月11日、元Cheeky Paradeの永井日菜が、初めてHina(永井日菜)のステージネームで音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2018のステージに立った。

ソロとしては前年の音霊のステージにも立った彼女。ただし、今年の音霊は、7月のチキパ解散後初となるステージ。言ってしまえば、ここからソロアーティストHinaの本格的始動となる。ということで、本番前、ステージ裏で本人は緊張のためにずっと喚いていた……なんてことは言うまでもないことだろう。もっとも、本人がどんなに緊張しようが何をしようが時間は過ぎるわけであり、夕暮れを待つ三浦海岸では、刻一刻とHinaの出演時間が迫る。

昔からのファンも会場に足を運び、いよいよ、Hinaはソロアーティストとしての第一歩を踏み出す。

1曲目は「何もできずにもがいている自分に対して、新しい道へと進むために目を覚ませ」という想いを彼女自身が綴ったオリジナル曲「wake up」。綺麗な高音とパワフルなボーカルワークという彼女の魅力を最初からしっかりと印象づけていく。

「音……霊に、お越しのみなさん、平日にお越し下さりありがとうございます。も、盛り上がってますか??」

昔から歌って踊らせると水を得た魚のようになるHinaだが、MCだけはいまだに苦手(だからこそ、彼女のMCでの“挙動”は楽しみのひとつだと覚えておいていただきたい)。先ほどの堂々たる歌声とは対極ともいえる、観客の反応を恐る恐る確認するかのようにたどたどしく言葉を並べると、観客はそんな彼女の様子に笑顔というレスポンスを返す。

今回のステージでは、前年も披露した清水翔太「My Boo」に加えて、加藤ミリヤの「20‐CRY‐」、海っぽい曲として平井大「また逢う日まで」、そしてmaco「Never Ever Getting Back Together」のカバーも披露。音霊に足を運ぶ一般層を意識した選曲で、もし初めてその歌声を聞いたという人がいたら、彼女の“ボーカリストとしての巧さ”と喉の強さが伝わったことだろう。ちなみに余談だが、カバーといってもトラックは8月の一ヶ月を丸々使って、このステージのためだけにオリジナルで制作されたもの。本人と同じくらい、音楽ディレクターもこのステージに相当の気合いで臨んでいた、ということである。

冒頭に披露した「wake up」のほかに、2曲もオリジナルを用意したということからも、力の入れようはうかがい知ることができる。そのひとつは、彼女が友達に向けて書いた曲「Good friend」。この日も彼女の友達たちが何人も来場しており、その姿を見つけるたびに、彼女はステージ上からアイコンタクトを送っていたが、そんな彼女の周りにいる女友達との日常と、友達への想いを詰め込んだ。この作品は、Hinaを中心としたコミュニティーだけではなく、彼女と同年代にも共感をもって受け入れられたことだろう。

ステージは進み「次が最後の曲になるんですけど……」と、Hinaは切り出す。そして起こる客席側からの「えー!」の声には「ちょーっとまってー! 嬉しい!」と、いつもどおりリアクション大きめで喜びを表す。彼女が最後の曲として選択したのは、20歳の誕生日に両親にプレゼントしたと伝えられていた「gift」だ。

一応、歌詞という形をとっているが、綴られている内容は、きっとそのほとんどが彼女のリアル。表層に浮かんできた事実だけをすくい取るしかない立場では決して知ることができない苦悩と葛藤。そんな中で、いつも味方でいてくれた絶対的な存在。彼女自身、両親や家族について、大人になって気づいたことや、素直になれたことも多かったことだろう。それは彼女だけでなく、我々もまた同じ。

歌詞から読み取れる様々な情景や感情が、観客ひとりひとりのパーソナルな思い出とも共振し、優しさにも似た感動の渦が音霊を飲み込んでいた。

用意していたセットリストをすべて披露して、会場から送られる温かい拍手に包まれながら、安堵の表情でHinaはステージを降りた。直後のステージ裏では、緊張感から解放されてアドレナリンが出まくっている彼女の姿があったのは、これまた言うまでもないだろう。

かくして平成最後の夏、Hina(永井日菜)のソロとしてのキャリアは始まったばかりだ。

 

◆Hina(永井日菜) Twitter

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