田中れいな単独公演

モーニング娘。“プラチナ期”エースの圧倒的な“現役感”

Reina Tanaka’s solo concert “Reina 100 percent Acro-diva” was held on January 26th.

Reina had been a member of Morning Musume, a Japanese famous girl band. Her cuteness is not faded and her live performance is too, though she was graduated from the group in 2013.

By the way, she is into the movie “Dragon Ball Super; BROLY”. She asked her fans “Why Goku said I’m Kakarot? Who the hell is Kakarot anyway?” at the concert.


田中れいなが、ワンマンライブ『田中れいな単独公演〜れーな100%!vol.4 アクロディーバ♡』を新宿BLAZEにて開催した。

2003年1月19日にモーニング娘。の6期メンバーとしてデビューし、先日、芸能活動17年目へと突入した田中。今回の単独公演は、タイトルが『アクロディーバ』ということで、9月の初単独公演で初披露した楽曲「アクロBADガール」から着想を得てのものでありつつ、「アクロ」はギリシャ語で「最上級の」、「ディーバ」は英語で「歌姫」。最上級の歌姫という“名は体を表す”ものになっている。

 

田中れいな、こだわる。

このタイトルに引けを取らないのが、本ライブにおける彼女自身のこだわりだ(スタッフをして「これまでで一番本人がこだわった」とのこと)。たとえば、自身で組んだセットリスト。今回は、ソロ曲からLoVendoЯ、モーニング娘。に所属していた頃の楽曲、面白いからという理由で選んだBEYOOOOONDSの楽曲までバラエティーに富んだ楽曲を並べ、さらに3曲の新曲までも用意された。彼女にとって、自分の曲だけでライブを行なうのは目標のひとつ。今回、さらに自分の曲の割合が増えたことについて、田中自身はライブ前に「今回で新曲もたくさん増えましたし、自分が作詞してたけど、しばらく歌わなかった曲なども入れてみたり……自分の曲だけでライブやるのが『れーな100%』を始めた頃の小さな夢でもあったので、(ライブで自分の曲が増えていくことは)嬉しいです!」とコメントをくれた。

また前回に引き続きKENZO(DA PUMP)がプロデュースしているダンス面もそうだろう。8年連続世界大会優勝という世界屈指のダンサーのエッセンスが注入された本公演には、同時にステージ上での魅せ方、ステージングへの田中のこだわりも存分に注ぎ込まれている。相手が誰だろうと臆することない田中が、KENZOと意見をぶつけ合うことで生まれたムーブ。ステージ上のダンサーズ(れいなーず)の動きのひとつひとつ。それはすべてアクロディーバ。つまり“最上級の田中れいな”を目指す上で必要不可欠な要素だ。

つまり、毎公演、終演後に「すごい楽しかった!」「期待以上だった!」という観客からの呟きがSNSに溢れていたのも、当然のことなのである。

バックストリート・ボーイズ『DNA』から「Don’t Go Breaking My Heart」がループする開演前。選曲はKENZOだが、これは“最上級の田中れいな”のライブにふさわしい客入れのBGMということで、“史上最高のボーイズ・グループ”の新譜をあえてセレクトした……かどうかは、KENZO本人に聞いてみないとわからない。だが、同曲をひたすらループし続けるということには、言葉にはしないKENZOからの何かしらの意図、メッセージを感じずにはいられないはずだ。

フロアの照明が暗転。攻撃的なEDMサウンドと4人のダンサーズによる躍動感に満ちたオープニングを経て、“THE 田中れいな”ともいえる黒のミニドレスに身を包んで、本人がステージ中央へと姿を見せる(昼公演では白とゴールド、一方、夜公演は初披露となる黒を基調にしたミニドレス)。

「れーな100%! 始まるよ!」と客席に声をかけての1曲目は、田中がモーニング娘。に在籍し、のちに“プラチナ期”と呼ばれた2007年リリース「みかん」。現役時から衰えることない田中のボーカルワークに、オーディエンスも水色のサイリウムで応えれば、2018年9月に初披露された彼女のソロ曲「別に、好きじゃないし」が続き、さらにヲタ芸までをも取り入れるという“田中感バリバリ”な「ギラギラ伝説」(ちなみにこの振り付けは本人のアイディア)。フロアが歓声に包まれ大きな盛り上がりを新宿の夜に描けば、田中も満足げに口元を緩ませてみせた。

 

最初のMCでは、今回の『田中れいな単独公演~れーな100%!vol.4 アクロディーバ♡』が自身初の5公演で行なえることのワクワクを語りつつ、1月から始まったリハーサルで、ダンサーズが次々にインフルエンザで倒れていったという裏話を博多弁全開で軽快に披露する。

 

“K-POP meets 田中れいな”のセクシーな新曲「JOKER」

今回用意された新曲のうち、まず最初に披露された「JOKER」は、端的に表現するなら“K-POP meets 田中れいな”。「韓流」をテーマに楽曲を発注し、振り付けもK-POPガールズグループのかっこいいセクシーな要素を取り入れた。つまり言い換えれば、髪の先からつま先まで、田中の小悪魔的魅力がステージ上から一気に放射されるということ。照明で赤く染められたステージ上で、刺激的な仕草と視線が交錯する新曲。ファンの興奮度は急上昇せざるを得ない。

「昨日と今日のお昼の公演は、ライブについてめっちゃ喋ってきたやんか? ……返事して。(観客:「はい!」)黙って聞かんで返事するって感じやん、れーなとのトークって。相槌打とう? んでね、最近のれーなの話するね。(観客:「はい!」)」

「ライブのMCとは、自分の話を聞いてもらうものではなく、来てくれた人たちとコミュニケーションをとるもの」という信条があるのか。それとも単にひとりで話すのが寂しいから、みんなに会話に入ってきてほしいのか。多分後者の田中が、この回のMCで一番熱く語ったのが、映画『ドラゴンボール超 ブロリー』にハマったという話。作品自体だけでなく、2回観たうち1回は4DXも初体験ということで、映画を“体験”したその興奮を、彼女は擬音語と擬態語をふんだんに用いて伝えようとする。もっともオーディエンスの多くは、彼女が伝えたかったことを完全には把握できなかったかもしれないが、“楽しかった”という感情だけはこれでもかと理解できたことだろう。

 

新曲「ドキバク錯覚!1日中」でタナカめせんも男の子目線に

「恋愛ハンター」「Be Alive」といったモーニング娘。楽曲、「いいんじゃない」からのLoVendoЯ楽曲を立て続けに披露した田中が、ダンサーズの「Dance Track 」を挟んで変化球的に披露したのが、BEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」だった。この曲以外は本人の楽曲(オリジナル曲、グループ在籍時の楽曲)にも関わらず、なぜ本人の曲ではないこの曲だけを今回入れたのか。その裏には、たとえば“実は制作に関わっていた”といった、いまだ世に出ていない何かしら深い理由があるのではないか。そう思うハロプロ好きもいるかもしれない。ちなみに実際のところは、本人曰く「(『The Girls Live』を観て)いいな。面白いなと思ったから。」という、なんとも田中れいなっぽい理由で選曲されただけである。

 

後半には、これまた初披露の新曲「ドキバク錯覚!1日中」が披露される。「男の子の気持ちを歌ったことがないから、男の子の歌。」という本人の希望から生まれた本作品では、田中自身が細部に渡るまでこだわって要望を出したという歌の世界を、ダンサーズとのダンスでも表現。観客側の感覚としては、ミュージカルを観ているような展開をみせてくれる。音源だけで聞くのとライブで観るのではまた印象が異なる、田中れいなのエンターテインメントの幅をさらに広げた楽曲といえるだろう。

 

中島卓偉提供の新曲は「くれてやんない」

一方、アンコールに披露された新曲「くれてやんない」は、その音を一度耳にしただけで、中島卓偉による楽曲提供だとわかる(本人歌唱によるコーラスも入っているのでなおさら)。卓偉が子供の頃にビートルズと並行して、もしくはビートルズよりも前に通ってきたであろう歌謡曲っぽさを織り込みつつ、“卓偉節”の歌いまわしで中毒性を忍ばせた奥行きのあるポップチューン。そこに”DA PUMP”KENZOらしい、コミカルかつ艶やかな振り付けでダンサーズが彩りを添えて、田中れいなが魅せるセクシーでいじらしいパフォーマンス。

ファンが彼女に求めるイメージを田中自身がこだわって具現化してみせたライブは、ここで最高潮へと達するわけである。

なお、今日披露された楽曲がどのような形でファンの手元に届くことになるのかは現時点では明らかになっていない。これら珠玉の3曲の次の展開にも続報が待たれるところだ。

 

“プラチナ期”を牽引してきたエースの実力

しかしながら、いずれにせよ驚かされるのは田中れいなの“現役”感だろう。昔からまったく変わらないビジュアルはもちろん、(モーニング娘。時代から声の出し方など細かいところは微妙に変えているようだが)安定感抜群な歌声から、久しぶりのワンマンライブにて、歌割りありきで作られているグループの作品を息切れすることもなく何曲もソロでこなしてしまうところまで(もちろん振り付きで)。これぞ、モーニング娘。“プラチナ期”をリーダーの高橋愛とともに牽引してきたエースの実力。そんな田中があるからこそ、当時から応援していた観客は、当時と同じ感覚でライブを楽しむことができるのだ。

『田中れいな単独公演~れーな100%!vol.4 アクロディーバ♡』は、2月9日にはHEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3で開催される。


「すっごく素敵で刺激をくれるダンサー4人にもバリバリに踊ってもらって盛り上げてもらえてるし、今まで1日しかなかったライブが今回3日間になったので、たくさんの方に観に来て頂けたら嬉しいです!」── 田中れいな

2019.1.26@新宿BLAZE
田中れいな単独公演~れーな100%!vol.4 アクロディーバ♡

M-1 みかん
M-2 別に、好きじゃないし
M-3 ギラギラ伝説
MC
M-4 JOKER(新曲)
M-5 恋愛ハンター
MC
M-6 Be Alive
M-7 いいんじゃない
M-8 普通の私 ガンバレ!
M-9 carry on
Dance Track
M-10 眼鏡の男の子
M-11 ドキバク錯覚!1日中(新曲)
M-12 ドッカ~ン カプリッチオ

EC-1 くれてやんない(新曲)
MC
EC-2 シャボン玉
EC-3 アクロBADガール

■ 田中れいなオフィシャルTwitter
■ 田中れいなオフィシャルブログ

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