武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。

武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。 news_and_report

6月11日、武田舞彩はSHIBUYA TAKE OFF 7にいた。この日が彼女にとってどのような意味を持つ日なのか。それは本人しか知る由もない。ただ我々の知っていることがあるとするなら、何がどうであれ、過去があったからこそ今があるということ。同時に、今があるからこそ未来が作られるということ。過去があるから未来があるのではなく、未来を作るのは今でしかない。

 

そして今。武田舞彩は相棒となったTaylor K24ceを手に、SHIBUYA TAKE OFF 7のステージに立っている。彼女のファンも、もう彼女にアイドル的な何かを求めることはなく、純粋に彼女の音楽に惹かれてライブに足を運ぶようになった。そんな頃合いではないだろうか。

武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。

 

この日、SHIBUYA TAKE OFF 7が主催するライブイベント『歌姫伝説2021 vol.6』の出演者の中に、武田舞彩の名前があった。前回のライブから約1ヶ月ということで、この期間に彼女が何をしていたのかは不明だが(まあ本人は「寝て、食べて、ギターを弾いていた」と言うわけだが)、見ている限りにおいて、この日の舞彩は実にご機嫌そう。リハーサルで歌詞を飛ばした途端に演奏までもメタメタになって、みんなを爆笑に誘ってしまうくらい絶好調である。

 

コロナ対策で椅子が設置されたフロアを観客が埋める。もちろん昨今の事情により、観客はキャパの50%までに制限された状態。とはいえ、今回、武田舞彩のライブは配信可ということで、会場に足を運んだ観客以上の多くの人たちに、久しぶりのライブを、今の武田舞彩を届けることができた。

 

砂抜きしたアサリ

照明で浮かび上がる武田舞彩は、いつものギターを抱き、その長い髪をラフに束ねたようなオーガニックなスタイル。2021年初ライブとなった4月(もしくは前回の『歌姫伝説』出演時)にも感じたことだが、彼女は着飾らない格好でステージに立つのが実に似合う。「それは“元素材”が〜」という意味でもそうなのだが、それ以上に、彼女が生み出した作品と、飾らないスタイルがよくマッチするからだろう。

武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。

 

舞彩は、ギターを小気味よく鳴らし、客席のひとりひとりと目を合わせるように笑顔を見せながら「Truth Proof」や「おんなの化け学」を歌い上げる。もう何度も披露してきた曲なので、自身も音を楽しむ余裕があるのだろう。そんな姿を目にすると、観ている側も気持ちが上がるというものである。

 

「最近めっちゃ暑くない? 『クーラーつけたよ!』って方いますか? 私も毎日お家にいるじゃないですか、だからほんと、“砂抜きしたアサリ”みたいになってます。……あ、伝わらない? “ダラ~ンってしてる”わけ(笑)。でも、私の本番は夏なんですよ。冬と春と秋は準備中。だからTUBEさんみたいな感じ。私はTUBEよ。」

 

ちょっと何言ってるのかよくわからないMCで、フロアの観客とカメラの向こう側で視聴している人たちを“砂抜きしたアサリ”状態にさせていく舞彩。一方、「音楽だけをやっているんです。生活の中で食べるか寝るか音楽するかなんですけど。」と語るように、ステージに立つたびに舞彩のギターの腕が上達しているのは手にとるようにわかる。それはたとえば「サヨナラ、僕の青春。」でのアルペジオ。音を重ねつつリズムを刻み、華奢な指を這わせるように6本の弦を爪弾きながらメロディーに言葉を乗せていく。

 

ギターを持った狂犬

武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。

 

 

そしてコロナウイルスに対するフラストレーション(……というか、コロナのせいで飲みに行けないことについてのフラストレーション?)を発散するために歌う、という「なす」。本来、この曲を披露する際には、彼女の頭の中には特定の誰かがきっと浮かんでいる。なので、この曲を歌い始めると、武田舞彩は牙をむく。“牙をむく”とは、攻撃的な感情を表現する際の例えとして使われたりするが、ここでいう武田舞彩は、本当に牙をむいている。

 

もし次回、どこかでライブがあった時は、ぜひ「なす」に期待していただきたい。この曲を歌う時、ステージ上にいるのは武田舞彩ではなく、目を見開いて牙をむいた、ギターを持った狂犬である。なお「……で、これは誰のことを歌っているの?」なんていう余計な詮索はすべきではない。デスノートならぬ「なす」ノートに名前を載せられかねないからだ(そんなノートがあるのか知らないけど)。

 

最後は、さっきとは一転して穏やかな表情で、未来と希望で目を輝かせながら披露した「渇き。〜Second Wind〜」。想いの強さとリンクする力強いストロークを繰り出しながら、舞彩は心地よさそうに伸びやかに歌い上げる。それは、昨年一昨年と想定していた活動ができなかったものの、それでも「私は、いつか追い風が吹くと信じているし、だから音楽に向き合い続ける。」という彼女の信念を感じさせる、いや、その信念を我々にも信じさせてくれるようなパフォーマンスだった。

武田舞彩、“砂抜きしたアサリ”になる。

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